第3章 似た者同士
「よかったです!あ、さん、よかったらこれ。僕の姉上からです。」
そういうと私にその荷物を差し出してきてくれた。
なんだろう、とおもいながら袋を開くと。
「…えっ、これ…」
「その、姉上にさんのこと話したら持っていきなさいって。今はもう着てないものみたいなので遠慮しないでと言ってました。」
そう、着物だった。
「そんな、申し訳ないです!こんな高いもの…」
新八くんのお姉さんには会ったこともないし、そんなことされる義理もないはずなのに。
「いいんです!1着なのでどっちにしても今日買いに行かないといけませんけど。姉上からの気持ちです」
どうしよう、とふと銀さんの方を見ると、「もらっとけ」と頷いてくれた。
「あ、ありがとう……その、今度お姉さんにお礼言わせてください。」
ぺこりと頭を下げ、着物が入ったその袋を胸に抱きしめる。
この町の人達はどうしてこんなに優しいんだろう。
しかし、わたしには大問題がある。
「あの...…着物、どうやって着るんですか…」