第8章 ホグズミードの知らせ
次に授業は『河童』に移った。
水辺に潜む、うろこのあるサルのような不気味な生き物だ。
池の静けさを破る者を水中に引きずり込み、水かきのある手で締め上げようとする。
リーマスは、河童の頭のくぼみに水を入れると弱るという弱点を説明し、実際に水をかけて縮こまる河童の姿を実演してみせた。
「まるで水をかけた子猫みたい」チユは笑いながらロンに囁いた。
ロンは鼻を鳴らし「でも、子猫の方が100万倍かわいいだろ」と返して、2人でクスクス笑った。
授業の終わり、リーマスはいつもの穏やかな笑顔で言った。
「よし、みんな、よくやった。宿題は河童について調べて、簡単なレポートを。月曜までだ」
生徒たちは一斉に歓声を上げ、興奮したまま教室を後にした。
チユは杖をローブにしまいながら、ハリー、ロン、ハーマイオニーと一緒に廊下に出た。
「ほんと、ルーピン先生の授業は別格だよ!」ロンが上機嫌で言った。
「スネイプの魔法薬なんか、地獄だよ。あいつの目、最近ギラギラしてるよな。ネビルのボガートがスネイプで、しかも婆ちゃんの服着せられた話が広まったからだよ、きっと」
ハリーがクスクス笑った。
「いい気味だったよね。あの帽子、最高だった」
「まあ、スネイプ先生も気の毒だけど……ネビルの呪文、見事だったわよね。ルーピン先生の指導がよかったんだわ」
ハーマイオニーが冷静に答えたが、彼女の口元にも笑みが浮かんでいた。
チユはニヤリと笑い、ロンに肘で軽く突いた。
「ねえ、ロン、もしスネイプがボガートだったら、どんな服着せる?」
「おっ、いい質問!」ロンは目を輝かせた。
「そうだな、ピンクのフリフリドレス!絶対似合うさ!」
「やだ、ロン、それダサすぎ」チユは吹き出し、即座に反撃した。
「私なら、キラキラのユニコーンのコスプレをさせるね、角までつけて、ピカピカ光らせるんだ!」
ハリーとロンがゲラゲラ笑い、ハーマイオニーが「あなたたちったら!」と呆れながらも笑った。