第1章 まもりたい。【坂田銀時】
「お前の働いてる団子屋ってここか?」
「はい、そうですよ。あ、よかったら食べていきますか?ご馳走します」
「まじ?神だわ」
「はい、ここで待っててください。店長〜」
わたしは団子屋の中に入っていき、店長に声をかけた。
「あれ、ちゃん。今日休みだよね」
「はい、あの、知り合いを連れてきたのでお団子食べてもらおうと思って。」
「…そっか、いいよ、もっていきな」
「ありがとうございます!」
「銀時さーん!」
わたしが声をかけると銀時さんは優しく微笑んでくれる。
胸がトクンと鳴る。
「待ちくたびれたぜ」
「はい、どうぞ」
銀時さんは1口団子を口に含む。
「ん、うまいな」
顔がほころび、私も嬉しくなる。
「これ、お前が作ったやつか?」
「ああ……わたし実はまだ練習中なんですよ。だからまだ店には出せてないんです。」
「……ふーん…」
一瞬で団子を食べてしまった銀時さん。
「甘いもの、好きなんですね」
「おーよ」
「よかった。じゃあそろそろ行きますか?」
そういいわたしが立つと、すかさず手を繋いでくれる。
うう、慣れない。
まわりの常連のお客さんが、わいのわいのからかってくる。
「ちゃーん!いい男つかまえたねぇ〜」
「結婚するときはおじちゃんに紹介するんだよー?」
「んもう。からかわないでください。」
そのまま店を出て、また二人で歩き出す。