第4章 赤い顔【高杉晋助】
「どうだ、ここの生活には慣れたか」
数ヶ月前、私は両親が殺され、自暴自棄になっていたところを高杉さんに連行され、鬼兵隊に入隊させられた。
実際に皆さんと一緒に戦うわけではないが、主にお医者さんなどに付き添い看護補助をさせてもらっている。
そのお陰か、他の隊士さんたちとも色々お話する機会があり、仲良くさせてもらっているのだ。
「…はい、楽しいです。」
私は1口日本酒を飲み返事をする。
だから私は高杉さんのこと信頼している。命の恩人である。
「そうかィ」
ククッと喉を鳴らしながら笑い、高杉さんもお猪口の中の日本酒を口に全て含む。
私は徳利を手に取り、高杉さんのお猪口に酒を注ぐ。
「その、高杉さんのおかげです。ありがとうございます」
「礼なんていらねぇよ」
ふと隣の高杉さんに目をやる。
......綺麗な髪の色だなぁ。着物の色にもとても合っている。
私が少し見つめていると、高杉さんの綺麗な眼とそのまま合う。
「......何をそんなに見ている?」
思わず目を逸らしてしまい、顔が赤くなるのを感じる。