第3章 優しさに触れ【沖田総悟】
「お、買えたんですかィ」
「はい、教えてくれてありがとうございました」
わたしはお礼を伝えると隣に座り、猫用のご飯を手のひらに出す。
……手から食べてくれるのかな。
容器も買っておけばよかった、と思っていたら、その子猫は彼の手から飛び出し、私の方へ近づき手のひらにあるご飯をクンクンしてから1口ずつ食べ始めた。
「……わぁ、」
ふと、隊士さんと目が合い、食べてくれたことに対し嬉しくなり微笑む。
彼もまた口元が優しく微笑むもそのまま猫へと視線がうつる。
「よっぽど腹減ってたんでしょうねィ……いい食べっぷりだぜ」
「そうですね」
子猫はそのまま私の手からご飯を食べ続け、ミルクも飲む。
おなかいっぱいになったのか、猫ちゃんはスヤスヤ寝始めた。
「あの、本当にたすかりました。ありがとうございました」
「いや、いい暇つぶしになりやした。」
「あの、真選組の方、ですよね?お名前を……」
「沖田でさァ。沖田総悟。」
おきたそうご。聞いたことがある。一番隊隊長だったはず。
「あ、あの、沖田さん……本当にありがt」
「総悟ォォォォォ!!!!」