第3章 優しさに触れ【沖田総悟】
……うわ、美少年。
私の第一印象はこれだった。
私と同じくらいか少し下くらいの隊士さんだった。
彼は猫を見つめたあと私のことを上目で見つめる。
「……なんか食わせたんですかィ?」
その一言で彼が来る前のことを思い出した。
「あっ...…その、子猫って何食べるのかわからなくて。それに何かを買うにしてもこの子置いておくのも危ないなって思ったんです」
「なるほどねィ」
そういうと栗色の髪の彼は私から猫を奪い、私の隣に座ってくる。
「だったら俺がここでこいつを見ててやるから、なにか買ってくるといい。そこの角を曲がったところにペットショップがあるからそこならわかるだろィ」
予想外の一言にわたしはびっくりする。
「で、でもお仕事の最中じゃ…」
「いや、ただのサボりの口実でさァ。」
ほら、早く行けよと猫とじゃれながらいう彼にぺこりと頭を下げ、彼が教えてくれたペットショップに向かう。
----------
ペットショップの店員さんに事情を伝え、子猫用の食事とミルクを買うことができた。
助かった……
私は駆け足でベンチの所へ向かう。
「あ、あの、お待たせしました……」