第2章 貴方はそのままで【土方十四郎】
「っ!?」
土方さんの頬が少し赤く染まる。
「そ、その...…ミツバさんのことは……ききました、」
「っ、お前……誰からそれを…」
ミツバさんのことを話すと土方さんはふい、とそっぽを向いてしまう。
「で、でも……わたし、いいんです……その、ただ、土方さんに……伝えたくなっただけで……っ、その、土方さんと付き合いたいとか……そんな、高望みはしませんから……」
迷惑な話だよね、と告白してしまってから感じてしまう。
一方的に気持ちを伝えられたところで、相手からしたら迷惑な話である。
ごめんなさい、ほんとに……。
「……馬鹿かお前は」
土方さんはそういうと私の頬をむに、っと掴んでくる。
「あいつは……ミツバは……もうこの世にゃいねぇ。仮に俺がどんなに想っていても叶うわけがねぇんだ」
「っ、でも…」
「それに……。その……あれだ、」
そういうと、土方さんは少し顔を赤らめ私を見つめる。
「今は……お前が……いるから……その……楽しい」