第2章 貴方はそのままで【土方十四郎】
「っ、ザキ……その話はするな」
一気に沖田くんの表情が変わる。
「あっ……すみません」
「……気分悪ィ。のおはぎは後でまた食べまさァ」
そういうと、何かが気に触ったのか沖田くんはその場を去った。
すごい雰囲気になってしまった…
それと……。
「その……土方さんはミツバさんのこと……?」
「……まあ、色々あってな。」
近藤さんは口を濁すも、おそらくそういうことなのだろう。
心にチクリと針がささったかのような感覚になる。
そ、そりゃ……好きな人くらい、いるよね……
だってかっこいいもん。優しいもん。
もしかしたら彼女が亡くなった今も好きなのかもしれない。
……そんなの、わたし勝てるはずないじゃん。
「ちゃん……」
私の気持ちに気づいてるのか、近藤さんは私の方を心配そうに見つめている。
「そ……そうだったんですね…きっと綺麗な人だったんだろうな…」
わたしはそういうのに必死で。
「じ、じゃあ、わたし、仕込みしないとなので……今日はこれで失礼します!」
そういうが早く、わたしはその場を駆け出した。
「っきゃ…」