第97章 忘れたい〜時透無一郎 不死川実弥【R強強】
屋敷の皆が寝静まる頃…
行灯の消えた部屋に、無一郎の足音が近付いてきて襖をそっと開いた。
ゆきは慌てて目を閉じて、心臓の鼓動を悟られまいと必死に呼吸を整え、微動だにせず寝たふりをした。
やがて、布団の縁がわずかに沈み込む…
無一郎が座ったのだった。
無一郎はゆきの体を、まるで幼い子供が玩具を揺らすように、小さく揺らした。
「ゆき…ねぇ、寝たの?」
返事がないことを確認したのか、無一郎の声は先ほどまでの強引な雰囲気とは異なり、どこか甘く変わる…。
「ねぇ、昨日は一緒に眠れなかったから。今日は……一緒に眠りたいんだ」
駄々をこねるように直ぐ側で無一郎は囁く。
無一郎が求める「一緒に眠る」ことの意味を、ゆきは痛いほど理解している。
それはただ隣で眠るだけではない…。体を求められる事だったから…今はそんな気分にはなれなかった。
ゆきは閉じた瞼の裏で、義勇の面影を追いかけてしまう。
あの優しい瞳、朝食に鮭大根を静かに食べる背中。稽古中に見せる厳しい顔…
考えたくないのにずっと思い出してしまう…忘れられない
無一郎の指先が、ゆっくりとゆきの頬をなぞる。
「ねぇ…起きてよ…」
それでも、ゆきは寝たふりをし続けた…ゆきはそのままいつの間にか本当に眠っていた。
ふと目が覚めたゆきは、隣で寝息を立て始めた無一郎の気配を感じ、ゆっくりと起こさぬように体を起こした。
外の空気に当たろうと立ち上がろうとした時に、布団に引きずり込まれた。
「何処行くの?やっと起きたね。」
無一郎が、ゆきを組み敷き髪を撫でる…ゆきは、気まずそうに顔を背けてしまった。
「僕を避けているよね?」
ゆきは、慌てて無一郎の方に顔を向けた、と同時に無一郎の唇が、ゆきの唇に重なる。
すぐに、舌が口内に入ってくる…無一郎くんの手が私の寝間着の腰紐を、解き体が露わになっていく…
「んっ…あっ…」
ゆきは、激しく抵抗した。
「やだっ!は、離して…んっ…」
無一郎は、逃げようとするゆきを引きずり組み敷いた。
「何で逃げるの!?」
荒げた声を思わず無一郎は、出してしまった…。