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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第94章 新たな生活〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】


降りしきる雨音が激しさを増す、義勇の吐息は耳元で熱を帯び、ゆきの気持ちを混乱させる。

「駄目だと…お前はいつもそうやって、俺を突き放す」

義勇の言葉にゆきは、胸を刺される。

その言葉に、無一郎への後ろめたさがゆきの中で音を立てて崩れそうになる。

けれど、だからこそ、このまま義勇に溺れてはいけないと本能がゆきを引き止めた。

「…ごめんなさい、義勇さん」

一瞬、義勇が愛おしげに頬を撫でたその隙を突き、ゆきは力を振り絞って義勇の胸を突き飛ばした。

不意を突かれた義勇がわずかに後退る。

その僅かな隙を逃さず、ゆきは土砂降りの雨の中へと駆け出した。

「待て! ……どこへ行く!風邪を引く!」

義勇の呼び声が雨音に掻き消される。

濡れた地面を泥だらけになって走りながら、ゆきは無一郎の元へ帰ろうとしたが…こんな濡れた姿で帰れば色々と問い詰められる…

ゆきは、どこへ行けばいいのかわからなくなった。

背後から追ってくる足音に、義勇の切迫した気配を感じる。

街の角を曲がり、人気のない路地裏へ足を踏み入れた。

心臓が早くなり、雨の冷たさと罪悪感の熱さが混ざり合い、息が詰まりそうになる。

「逃げられると思っているのか。」

雨の向こうから、義勇の静かな声が響いた。

立ち止まれば捕まってしまう。けれど、行く宛がない。

激しい雨の中、ゆきの走る速さがどんどん落ちていく

義勇が後から簡単にゆきを、抱きかかえた。

「捕まえた。」

抱き上げたゆきからは、水が滴り落ちる…それに体が小刻みに震えていた。

「震えるぐらい俺が嫌なのか?」

何も答えないゆき…後から抱き上げたゆきを今度は横抱きにした。

まだガタガタと震えるゆきの顔を見ると、青白い…

「おい?具合が悪いのか?雨に当たったから冷えたのか?」

先程全力で、走った為息も荒い…

「だ、大丈夫です…下ろしてください」

目が虚ろで、焦点が定まらないゆき…

義勇は、街の中をゆきを抱えて走りある場所にたどり着いた。

「夜分にすまない。二人今夜泊まれる部屋は、あるか?」

そう、義勇が探していたのは、宿屋だった。





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