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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第93章 産屋敷邸での波乱〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】


「ご、ごめんなさい…!」

思わず振るった右手が、自分のものとは思えないほど熱く痺れている。

叩かれた義勇の頬には、くっきりと赤い指の跡が浮かび上がっていた。

義勇は驚いたように目を見開いたまま固まっていたが、やがて視線を落とし、低く息を吐いた。

「…大丈夫だ。俺こそ、すまない。強引すぎた」

義勇は自分の頬に触れることもなく、無造作にゆきの頭をぽんぽんと撫でた。

その手つきは驚くほど優しかった…。

それ以上言葉を交わすこともなく、義勇は前を向いて中庭へと歩き出した。

会議は平穏に終わった。鬼の出現が減っているとの報告を受け、ある程度自由に過ごしてもよいとの話だった。

しかし、解散の喧騒の中で義勇は宣言通り、しのぶと時透に声をかけ、自身の屋敷へと招いた。

ー義勇の屋敷ー

張り詰めた空気の中、義勇は二人と向かい合い、静かに口を開いた。

「二人を呼んだのは、他でもない。ゆきのことだ」

義勇の低く、少し緊張した声に、しのぶは微笑んだ。

「冨岡さん、改まって何のお話でしょう。私たち、近々結ばれる仲だというのに」

しのぶの言葉に、義勇は一切の迷いなく首を振った。

「その婚約、俺は一切承諾していない。俺にその気はない」

一瞬、部屋の温度が下がった。しのぶの瞳から笑みが消え、隣に座る無一郎も静かに視線を鋭くさせる。

義勇は構わず、二人を真っ直ぐに見据えた。

「俺が愛しているのは、ゆきだ。もう自分に嘘はつけない。ゆき以外考えられない。」

それは柱としての立場も、周囲の期待もすべて捨て去った、剥き出しの告白だった…。

「時透、お前がどれほど彼女を大切に思っていようと、俺の想いもまた負けていない。ゆきを譲りたくない。」

その宣戦布告に、無一郎が冷ややかに言い放つ。

「僕とゆきの間に冨岡さんが入る隙間なんて、最初からないよ」

「だとしても、譲れない…」

義勇の真剣な声が部屋に響く…

「ゆきさんは、どうなのですか?あなたも、冨岡さんを想っているのですか?」

しのぶが、ゆきに問いかける。

「私は…」

義勇の視線が、無一郎の視線がいっきにゆきに向けられた。

「私が想っている人はーー」

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