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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第93章 産屋敷邸での波乱〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】


お館様の御前へと通された義勇とゆき。

緊張で震えるゆきの手を、義勇は離さなかった。

義勇は覚悟を決めたように背筋を伸ばし、お館様へと深く頭を下げた。

「お館様、本日はお伝えしたいことがあり参りました」

義勇の声はかつてないほどに強く響いた。

彼はまず、しのぶが隊士宿舎で公言した婚約の件について、自分は一切承諾していない旨を明確に伝えた。そして続く言葉は、隣で息を呑むゆきを動揺させた。

「お館様。私は、継子であるゆきを深く愛しております。行く末は、彼女を妻として迎えたい」

いつも口下手で自身の殻に閉じこもっていた義勇の劇的な変化に、お館様は驚きながらも、優しい眼差しをゆきへと向けた。

ゆきはその視線に耐えきれず、震える声で義勇を制した。

「義勇さん、やめてください…。私は、無一郎くんと心を通わせる道を選びました。しのぶさんも、義勇さんのことを深く想っています。しのぶさんと幸せになってください」

ゆきは必死に伝えた。義勇のことは大切であり、…想いを寄せていることには嘘はない。

だが、自身の立場も、周囲の感情も、すべてを考慮した結果、ゆきの中で義勇への恋心は、決して選ぶことのできない「諦め」の形へと変化していった…。

しかし、義勇の瞳から迷いは消え去っていた。

「断られても構わない。俺がお前を愛しているという事実は、他人の気持ちや君の決意によって変えられるものではない」

その様子を見ていたお館様は、静かに目を細めた。

「義勇、君がそこまで己をさらけ出すとは。だが、ゆきの意志、そしてしのぶや無一郎の心中を察するに、これは私の一存で決めて良いことではない。想いというものは、誰かに命じられて収まるものではないからね」

「では…想いのままに行動します。」

義勇は、一礼して隣のゆきの手をぎゅっと掴み柱達が集まる中庭へ向かって行った。

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