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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第93章 産屋敷邸での波乱〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】


「義勇さん…本当に困ります」

震える声で告げながら、ゆきは必死に義勇の胸から逃れようと体を引く。

しかし、義勇の腕は硬く、ゆきをその温もりに閉じ込めたまま離そうとはしない。

「今日の柱合会議で、宣言する」

義勇の低く、迷いのない声がゆきの耳元で響く。

「胡蝶との婚約は破棄する。…それと、俺はお前が好きだ。お前と婚約したいと、お館様に伝える」

その言葉の重みに、ゆきは息を呑んだ…。

胸が押し潰されるような罪悪感と、同時にあふれ出る甘美な悦びに、意志が揺らぐ…。

ゆきは必死に腕の中から逃れようと、義勇の胸元を突き放した。

「そんなこと、やめてください!」

「…何故だ? 俺はもう、自分に嘘がつけない」

義勇が眉を寄せ、切なげに瞳を細める…。

そんな顔して私を見ないでよ…

しかし、その情熱を前にすればするほど、ゆきの心には昨夜の記憶が鮮明に蘇る。

ゆきは、無一郎が自分に向ける、純粋で真っ直ぐな愛の深さを知っている。

誰よりも自分の内側を理解し、愛してくれる無一郎の温もり。

その想いに応えたいと切実に願う心が、義勇の情熱を前に引き裂かれそうになる…。

「私には…無一郎くんがいます」

その名前を出した瞬間、義勇の体がピクリと強張った。

ゆきは自分に言い聞かせるように、震える言葉を紡ぎ続ける。

「無一郎くんが私をどれほど大切に想ってくれているか、義勇さんも分かりますよね? 昨夜私は、激しく…心も体も、もう彼の色に染められているんです。だから…もう…」

ゆきは、義勇の目を見つめたまま震えていた…。

「時透が、本気でお前を愛しているとでも言うのか?」

義勇のその手には力がこもる…。

「あいつの愛は、まだ幼い…。お前しか知らないからお前に執着しているだけだ。他を知れば心変わりするやもしれない。だが、俺のこの想いはずっとずっと変わらない、永遠だ。」

その言葉に、ゆきは言葉を失う。逃げ場のない切なさが、二人を締め付けた。

「義勇さん…私のことなど、忘れてください。」

腕の中で、お前はそう俺に告げた…

抱きしめているのに…お前が遠く感じた瞬間だった。

「そろそろ、準備して産屋敷邸に向かわなければ柱合会議に間に合いませんよ…」


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