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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第93章 産屋敷邸での波乱〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】


隠たちの視線が、義勇の想いを尊重するように静かに伏せられる。

義勇の腕の中で、ゆきは逃げ場のない切なさに身を震わせていた…。

義勇はゆきを部屋へ運び込み、ゆっくりと畳に下ろした。

ゆきがすぐに距離を取ろうと動くと、義勇は壁に手を突いてその道を塞いだ。

「そんなに避けないでくれ」

「何言ってるんですか!婚約者がいらっしゃる方と、二人きりにはなれません。失礼します…!」

すり抜けようとしたゆきの肩越しに、義勇の腕が壁を囲う。逃げ場を失い、鼓動が速まる…。

「あれは胡蝶が勝手に決めたことだ。俺は一度も承知していない」

「…そんなの、知りません。とにかく、退いてください」

義勇は顔を近づけ、逃げ場のない距離でゆきを見つめる。

「手紙は読んでくれたか?」

「読んでいません!離してください」

ゆきは必死に義勇を押し退けようとしたが、彼は微動だにしない。

「そんな弱い力じゃ、俺は動かない」

淡々とした声とは裏腹に、その眼差しは熱い。

ゆきは目を逸らし、心の中で無一郎の顔を浮かべ、自身に言い聞かせる。

これ以上、義勇に触れてはいけない。彼を想ってはいけない…。

「嘘をつくな。寛三郎は確かに届けたと言った」

「っ、知りません!私は何も…!」

その時、二人の視線が落ちた先に、ゆきの胸元からこぼれ落ちた一通の封筒があった。

ずっと大切にしまい込んでいた、義勇からの手紙…。

隠し通せなかった証拠が、畳の上にひらりと落ちた。

義勇は静かにそれを拾い上げ、確信に満ちた瞳でゆきを見つめる。

「…大切に持っていてくれたのか?」

ゆきの顔が真っ赤に染まり、言葉が消える…。

嘘を突き通す気力さえ、義勇の情熱に飲み込まれていく…。

沈黙を肯定と受け取った義勇は、力強くゆきを胸に抱き寄せた。

「愛している……ゆき」

名前を呼ぶ声は、張り詰めていた心がほどけるような、甘く切ない声だった。

駄目だよ…流されたら駄目だよ…

義勇さんは、もうしのぶさんの婚約者…

私には…無一郎くんがいる…

昨夜あんなに、激しく抱かれたじゃない?

私の中に沢山証も残された…もう私の体は、無一郎くんで染まっている。

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