第84章 柱の命令〜冨岡義勇 時透無一郎【R強】
「最後に聞く。その手首の痣、緩んだ隊服のボタン…そして、なぜ今日はいつもと違う隊服を着ている。隊士宿舎で何かあったことは分かっているんだ。その何かを早く教えろ」
義勇は、真剣な目でゆきに聞いた…
これを答えなければ…俺は…本当にまたお前を…自分のものに…
「…誰かに襲われたのか? 答えろ、これが最後の質問だ」
ゆきは震える唇を噛んだ…
このまま私が言わなければ、義勇さんは…どこまで、するつもりなの?
熱を帯びた義勇の眼差しは、ゆきを壊してしまいそうなほどに切実で、狂おしく見えた。
「答えないつもりか…ならば…」
義勇の手が、さらに深くスカートの奥へ滑り込んでくる…太ももに指を這わし内側に回ってきた…その時、ゆきはたまらず叫んだ。
「ま、待ってください! 答えます…っ」
これ以上は、せっかく一度は距離を置いた二人の関係が、また以前のように戻ってしまう…。
そう直感したゆきは、震える声で真実を打ち明けることにした…。
「宿舎の隊士に、襲われて…。それで手首を痛めて、昨夜ここからの帰り道にも待ち伏せされて……隊服が破れてしまったから、今日はこの服を…。昨夜は、寛三郎にも助けてもらったんです…。それが隠していた全てです。」
ゆきを組み敷いたまま、義勇は微動だにせずその話を聞いていた。
その隊士への、煮えくり返るような怒り。そして、傷ついたゆきを守れなかった自分への苛立ち。
激しい怒りに支配されながらも、腕の中のゆきの柔らかな体と、甘い香りが意識を狂わせてくる…。
話を聞き終えてもなお、体の熱は一向に収まる気配を見せず、義勇はゆきを離すことができなかった…。
暫く見つめ合ったままいたが、ゆきがおどおどしながら口を開いた。
「あ、あの…義勇さん…もういいですか?」
義勇の手はまだスカートの中にあった…。
頭の上で、拘束していた手は解いてくれた。
「そろそろお稽古しましょう…」
起き上がろうとするゆきに、義勇はまたがったまま動こうとはしなかった…だが…
「また…山賊の事を思い出すようになってしまったんです…だから離して下さい…怖いです…」
その言葉を聞き名残惜しそうに渋々義勇は、ゆきから離れた…。