第84章 柱の命令〜冨岡義勇 時透無一郎【R強】
畳の擦れる音と、義勇の荒い呼吸が静かな部屋に響く。
頭上で両手首を固く抑え込まれ、逃げ場を失ったゆきは、覆い被さる義勇を押し退けることが出来ない。
「言わないのなら、昨日よりも激しくするぞ?」
低い声…義勇はそのまま、奪うように唇を重ねた…。
昨夜の続きのような甘い口付けではなかった。
それは無一郎への嫉妬が混じった、暴力的な激しい口付けだった。
「んっ…ふ、ぁ…っ…んっ」
こじ開けるようにして舌が入ってくる…ゆきの口内を撫でていく。
唇を食べるように噛み、吸い上げる…。
あまりに激しい口付けに、ゆきの頭は一瞬で真っ白に染まった。
押し退けようとした指先の力は抜け、代わりに切ない吐息が漏れ出す…。
その甘い声を聞いた瞬間、義勇の中の男が疼き出した。
昨夜、胡蝶が一糸まとわぬ姿でその白い肌を目の前にしても、俺は…何も感じなかった。
それなのに、今こうして隊服越しに触れ、口付けているだけのゆきに対しては、胸が高鳴り身体が熱く疼いてくるのがわかる…。
普段とは違う隊服のスカートから覗く脚…。宿舎で何があったのか聞くための行為のはずが…暴走している…。
「っ、は…義勇、さん…苦し…」
酸素を求めて喘ぐゆきの唇を、義勇は解放するどころかさらに深く、塞いだ。
何度も角度を変え、喉の奥まで届きそうなくらい深い口付け…。
ゆきは涙を浮かべ、必死に首を横に振るが、何があったかは決して口にしない。
言えば、義勇がさらに激昂し、騒ぎになるのが分かっているからだった。
だが、その態度が義勇をさらに追い詰めていく…。
ゆきの濡れた瞳、乱れた吐息、そして自分だけに向けて漏らす甘い声。
「言わないのなら、もう止めるつもりはない」
口付けだけでは到底抑えきれない事は義勇本人が、一番分かっていた。
義勇は自由な方の手でゆきの腰を引き寄せ、密着させた。
硬いものがスカートから淫らに覗く太ももに押し当てられる。
こんなの駄目…おかしい…このままじゃ…
ゆきは、必死に義勇の胸を両手で叩いて抵抗した。
「や、やめっ…ぎ、ぎゆう…さんっ!」
義勇は、一旦自由になったゆきの両手をまた頭の上で拘束した。