第84章 柱の命令〜冨岡義勇 時透無一郎【R強】
夜の茂みの中で、ゆきは必死な抵抗をしていた…たが虚しくも月夜に綺麗な身体が晒されていく…。
「じっとしてろ!柱に毎日触らしてるんだろ?」
男の酷い言葉…乱暴に触れられる感触が、山賊に襲われた記憶を思い出させる。
口に押し込まれた布のせいで、悲鳴を上げることさえできない
その時だった…ゆきを見守っていた鴉の寛三郎が空から舞い降り、男の頭を激しく突き始めた。
その隙に逃げようとするゆき…しかし、男は足首を掴み、暗い茂みの奥へと引きずり込んだ。
「ちょこまかと…っ、大人しくしろ!」
力任せにボタンが引きちぎられ、胸が露わになる…。男はゆきを見下しながら、歪んだ笑みを浮かべた。
「最終選別を受けてない、剣も振れない女が、どうやって柱の継子なんて立場を手に入れたのか不思議だったが…なるほどな。そうやって男を誘惑してきたわけだ。あの水柱も、お前の体がお目当てで囲ってるんだろう?綺麗な胸…してんなぁ…」
嫌……触らないで。義勇さんは、そんな人じゃない……!
「カァッ! 離レロ! 離レロ!!」
寛三郎が必死に男の顔を突き、鋭い爪で攻撃し続ける。
男が追い払おうとひるんだ瞬間、ゆきは震える手で地面にあった石を掴んだ。
「…義勇さんのことを、悪く言わないで!」
ゆきは残った力を振り絞り、男の腕に石を叩きつけた。
寛三郎の攻撃とゆきの必死の抵抗に、男は後ろに飛び退いた。
「…っ、この女…!」
顔から血を流した男は、ゆきを睨みつけた。
しかし、これ以上騒ぎになればまずいと思ったのか、男は吐き捨てるように言い残して、宿舎の方へ帰って行った。
「チッ、しらけたぜ。命拾いしたな」
男の気配が消えると、ゆきはその場に崩れ落ちた。
震える手で破れた隊服を必死にかき寄せた。
「カァ! ゆき、大丈夫カ! 義勇、呼ンデクル… 」
慌てて知らせに行こうとする寛三郎を、ゆきは必死に呼び止めた。
「待って…っ、寛三郎、行かないで!」
寛三郎は、引き止めるゆきを不思議そうに見た。
「…お願い。義勇さんには、言わないで…言いたくないの。義勇さんに、迷惑かけたくない」
寛三郎は、義勇の元に行くのをやめて黙ってゆきの側に寄り添った…。