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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第83章 新しい生活


しのぶが、去った後義勇は一人考え込んでいた。

​義勇の脳裏をよぎるのは、昨夜感じたゆきの柔らかな体温と、甘い吐息。

一度その熱を知ってしまえば、彼女のいない生活など、彩りを失った灰色の世界も同然だ。

だが、それは俺の我儘…俺が胡蝶を選んだんだ…ゆきを縛り付けるのはお門違いだ。

だけど居なくなるのは嫌だ…。

​しかし…事態は義勇の葛藤を置き去りにしたまま、動き出す。

​しのぶは確信していた。

義勇の瞳の奥に揺らめく情熱が、自分ではなく、ずっと屋敷に居座り続ける「ゆき」に向けられていることに。

その繋がりを断つために、しのぶは産屋敷へ働きかけ、ゆきを隊士宿舎へと移す準備を整えさせたのだった。

ゆき​自身、自責の念に駆られていた。
「私はここにいてはいけない。義勇さんの、そしてしのぶさんの邪魔をしてはいけない…」

もともと屋敷を出る事を、望んでいたゆきにとって、しのぶの介入は、迷いを断ち切る最後の背中押しに過ぎなかった。

お館様の承諾も降り、ゆきは荷造りを進めていた。

​そんなゆきの部屋に義勇が入ってきた。荷造りしているゆきの手首を掴み立ち上がらせた

​「本当に、行くのか」

​義勇はゆきを部屋の隅へ追い詰める。

宿舎への入居を勝手に決めた事への、怒りとも悲しみともつかない感情が胸を突き上げる。

​「はい。今まで、ありがとうございました」

​淡々と告げるゆきの唇を、今すぐ塞いでしまいたい。自分を呼ぶその声が、明日からこの屋敷に響かなくなるという現実に、義勇は耐えられなかった。

​「行かせないと言ったら、どうする」

​義勇の手が、ゆきの肩を強く掴んだ。

​しのぶを選んだはずなのに、指先が、肌が、魂が、お前を求めている。お前を宿舎へ送り出すことは、自分の心の一部を引き剥がされるような痛みなんだ…。

​「俺のそばにいろ。」

「何言ってるんですか?もう決まった事だしやはり一つ屋根の下では暮らせません」

「継子と師範だ!何がいけない?」

「私達は、またいつか一線を越えてしまう。だから離れていないといけないんです。」

もうお前が酔っていた夜に一線は、超えている…本当に記憶がないようだな…抱いたのに…







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