第82章 甘い私の身体〜時透無一郎 不死川実弥 冨岡義勇【R強強】
義勇は、大きく深呼吸した
「お前は、先日求められたら応えると確か言っていたな」
な、何で今その話を出してくるの?義勇さん…
「は、はい…」
ゆきは後退り、視線が泳ぐ…義勇の纏う空気が、いつもの冷静な感じではないのがすぐにわかった。
「ならば…俺が求めても応えてくれるのか?」
一歩、義勇が踏み出す。ゆきは逃げるように下るが、すぐに冷たい壁に追い詰められた。
逃げ場はない…義勇は大きな手でゆきの肩の横の壁を突き、逃げ道を塞いだ。
「情があるとか関係なしに…お前が欲しいと言えば、応えてくれるのか?」
「義勇、さん…?」
あまりに直接的な言葉に、ゆきの鼓動が早まる。
昨夜、自分を呼び捨てにし、柔らかな体温を預けてきたお前…俺は胡蝶と付き合うと決めたのに…こんなにも揺れ動く…
義勇の顔がゆっくりと近づく。鼻先が触れそうな距離で、熱い息がゆきの唇にかかった。
「昨夜の俺への甘えは、酒のせいだけか?」
「ぎ、義勇さん?」
大きな掌がゆきの細い顎を持ち上げ、親指がゆきの震える下唇をなぞる。
その指先の愛撫は優しく、ゆきの腰が甘く痺れた。
「…っ、ん。や、やめっ」
ゆきが思わず漏らした小さな吐息に、義勇の理性が音を立てて崩れかける。
お前を組み敷き、その肌に自身の痕を残したい。昨夜、俺の名を呼んだその唇を、今すぐ欲望で塞いでしまいたかった。
義勇の唇が触れるかというその瞬間、廊下から足音が近づき、ふすまが開かれる音と共に優しい声がした。
「おはようございます」
その声に、二人の肩が揺れた。義勇は咄嗟に腕を引き、ゆき から距離を取った。
入口に立っていたのは、微笑みを浮かべたしのぶだった。
「胡蝶…」
義勇の声は、動揺を隠せない。
「今日は一日休暇だと伺いましたよ。せっかくのお休みですし、少し外の空気を吸いに、お出かけでもいかがですか?」
しのぶは一歩、部屋の中へと踏み込んだ。彼女の視線は、赤らんだ顔で俯く ゆき と、壁際に立ち尽くす義勇の間をゆっくりと往復する。
「…先ほど、何かお二人で大事なお話でもされていたようですが。お邪魔でしたか?」