第82章 甘い私の身体〜時透無一郎 不死川実弥 冨岡義勇【R強強】
賑わう店内の喧騒と、伊黒と蜜璃が醸し出す春の陽だまりのような空気。
ゆきにとって、それは張り詰めていた心を解きほぐす救いになった。
「お二人は本当に仲が良くて、素敵ですね…」
ぽつりと溢れた言葉は、自分に欠けてしまった「確かな絆」への憧れだった。
胸の奥に疼く義勇への未練を隠すように、ゆきは差し出されたお酒を飲んだ。
そこへ、不死川が合流した。
「おう、ゆき!元気にやってるかァ?」
ぶっきらぼうながらも、そこには彼なりの不器用な優しさが滲んでいた。
不死川は、伊黒と甘露寺に聞こえないようにゆきの耳元で囁いた
「この前は、すまねェ…お前が弱ってて見てらんねェで…口付けしちまって…」
ゆきも、すぐあの日を思い出した…産屋敷邸で義勇が、皆のまえでしのぶと付き合っていると宣言した日…
一人で帰れと義勇さんに言われて帰る私を不死川さんは送ってくれて…そして部屋で…
あの日ー
チュッ…チュッ…
不死川は、組み敷いたゆきに激しい口付けをしていた。
「抵抗しないのかよォ?」
ゆきは、何も答えず口付けを受け入れていた。
不死川が、ゆきの唇に吸い付く…角度を変えまた、深く吸い付く…部屋に音が鳴り響く
「…舌を入れてェから…く、口開けろォ」
ゆきは、虚ろな表情のまま言われる通り口を開いた…そんな素直すぎるゆきに、不死川は息を呑む…。
激しく舌を挿入した…
ずっと欲しかった…俺はァ…こいつを好いているから…
このまま…こいつが受け入れてくれるならァ…
隊服にも手をかけ脱がしていく…抵抗しない…細い肩に唇を寄せるとゆきは、少し体を強張らせた…。
「俺がァ…冨岡の事忘れさせてやる」
堪らずに胸の膨らみの硬くなった先に、吸い付いた時ゆきは、甘い声を出してはくれなかった…
頭の中は、冨岡でいっぱいなんだなァと思ったら抱きたいと興奮していた身体は冷めていき虚しさだけが残った…
そんな、あの日以来の再会…
だが、ゆきは何もなかったかのような態度だった。
「あの日は…どうかしてたんです。いつもご迷惑ばかりかけてすみません…。」
「お、おゥ」
不死川は、グイッとお酒を一気飲みした。