第82章 甘い私の身体〜時透無一郎 不死川実弥 冨岡義勇【R強強】
外は、もう夕刻になろうとしていた。部屋にも夕焼けが差し込んでいた。
無一郎の今までゆきを抱けなかった衝動がやっと収まろうとしていた。
何度も突き上げ果てさせ、ゆきを自身の熱で塗り潰した。
横たわるゆきの肌は真珠のように白く、情事の名残である汗と甘い液に濡れて、沈みゆく陽光を弾いて妖しく光る。
ゆきは指一本動かす気力も残っていないのか、ただ虚ろな瞳で天井を仰ぎ、乱れた呼吸を繰り返している。
その姿は、あまりにも無防備で、酷く艶やかで見とれてしまう。
「ゆき?」
ふと我に返った無一郎は、ゆきを壊してしまったのではないかという不安に駆られ、上半身を起こした。
はだけた隊服を無造作に羽織り、ゆきの火照った頬を長い指先で優しく撫でる。
「大丈夫…? 無理、させすぎちゃったよね」
ゆきは視線をゆっくりと無一郎へ向けるが、言葉を紡ぐ余裕はなかった。
そんな様子を愛おしげに見つめ、無一郎は心にずっと引っ掛かっていた「問い」を口にした。
「ねぇ。…嫌なことを思い出させちゃうかもしれないけど。あの日、山賊に襲われてから…冨岡さんに抱かれたりしてないよね? 僕が、初めてだよね…?」
その問いかけは、あまりにも真っ直ぐだった。
自分の熱でゆきを上書きできたという確信が欲しくて、無一郎は祈る様に答えを待つ。
しかし、ゆきの瞳が微かに揺れ、視線が泳いでいる。
ゆきの脳裏をよぎるのは、刀鍛冶の里での出来事。無一郎に触れられるよりも先に、義勇の腕の中で翻弄された、あの夜…。
私は…義勇さんに…抱かれた。自分を好きかと抱きながらずっと問われ続けた…
「…っ」
言葉に詰まるゆきの沈黙と、その微かな動揺を、無一郎の鋭い感性が逃すはずはなかった。
先ほどまでの甘い余韻が、一瞬にして嫉妬へと形を変えていく…
「ゆき? なんで目を逸らすの。僕の目を見て、答えてよ」
無一郎の手が、ゆきの顎を逃がさないように強く固定する。
「あの…私…私は…抱かれたの……義勇さんに…」
無一郎の顔色がみるみる変わる…
「あの人…柱合会議で胡蝶さんと付き合うって公言したんだよ?なのに…?」