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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第80章 決別


震えているゆきに、黙って先ほど脱がせた寝間着を肩からかけた。

体には何も跡がなかった…昨夜は何もなかったと確信した義勇は、その事実に安堵した。

だが、恐怖と屈辱に顔を歪めるゆきの表情を見て、己のしたことの浅ましさにようやく気付く…

​  「…すまない、俺は…」

ゆきは、震える手で寝間着を着ようとするがなかなか上手くいかない…。

畳の上に落ちた腰紐を、義勇は拾い上げもたもたしてなかなか着ることが出来ないゆき​に、義勇が寝間着を着せてあげた。

ますます意味のわからない行動にゆきは、困惑するしかなかった。

「あ、あの…何でこんな事…?」

帯紐を結び終えた義勇は、すっと立ち上がった。

「確認したかっただけだ」

「何をですか?」

「時透の跡がないかだ…」

その言葉を、聞きゆきは呆れた表情を義勇に向ける

「そんなの義勇さんに、関係ないじゃないですか?私が無一郎くんと何をしようが義勇さんに関係ない…」

潤んだ瞳で、睨みつけゆきは出て行った。

取り残された義勇の手のひらには、ゆきの体温と、絶望的なほど甘い残り香だけが虚しく残った。

俺は…何をしたいんだ…ゆきを諦めたのに…何を嫉妬に狂っているんだ…

ゆきは、足が縺れそうになりながら部屋に戻ろうとしたがその前に、義勇に着せられた寝間着をもう一度きちんと整えた。

無一郎に悟られぬように…

何事も無かったかのように…


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