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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第80章 決別


​産屋敷邸の帰り道、無一郎は先ほど一人で帰ったゆきの姿が、どうしても頭から離れなかった。

義勇としのぶの親密な様子を目の当たりにし、傷ついたであろうゆきの心を想うと、胸の奥が痛かった。
無一郎の足も自然と速くなる…

​「…居た!」

​ようやくゆきに追いついた。だが、駆け寄ろうとした無一郎の足が止まる。

ゆきの隣には、ぴったりと寄り添い、守るように歩く不死川の姿があったからだ。

​無一郎の中に、嫉妬の感情が芽生える…。

冨岡さんに突き放され、今度は不死川さんに頼るの?僕じゃないの?

いや、不死川さんが強引に連れ添っているような気がする…。色んな思考が無一郎の頭の中をぐるぐる回る。

​二人はそのまま、義勇の屋敷へと入っていった。

​無一郎は屋敷の外、木々の影に身を潜め、苛立ちながら門を見つめ続けた。

…何をしてるの? 不死川さん出てこないし…ゆきが弱ってるからって何かしてるんじゃ…?送るだけなのに長い。屋敷に入ろうか?でも、もし何もなければ失礼だし…

一分が一時間にも感じられる。不死川がなかなか出てこない事に、無一郎の指先は怒りで震える。

​その頃、屋敷の中では無一郎の心配が現実になっていた。

ゆきは不死川に組み敷かれ、されるがままになっていた…

激しく唇を奪われても、抵抗する気力すら湧かない。

隊服の中に手が入り込み、肌に触れる熱を感じても、ただ人形のようにじっとしていた。

​それは不死川が好きだからではなく義勇に拒絶された心の穴を、誰の熱でもいいから埋めてしまいたかったのかもしれない…

​しかし不死川の手が止まる

「…クソが。…すまねェ。弱ってるお前にこんな事…ズルいことしちまったァ…」

不死川は乱れたゆきの髪を一度だけ優しく撫で、逃げるように屋敷を飛び出した。

​門から出てきた不死川を、無一郎は睨みながら待ち構えていた。

「…何をしたの不死川さん」

目の前に立ちはだかる無一郎に気づきながらも、不死川は目を合わせる事なく、無視して走り去った。

​様子がおかしすぎる…無一郎は、あわてて屋敷の中に入って行った。

常駐の隠に、ゆきの部屋の場所を聞きそちらに向かった。

「ゆき!?開けるよ…」

無一郎は、ゆっくりとふすまを開いた…

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