第13章 動き出す運命 〜時透無一郎 冨岡義勇【R18】
「師範おふとん行きましょう。風邪ひきます」
抱えようとした義勇の顔を見た目が涙で潤んでいた。
「大丈夫だ。一人で行ける」
師範の背中がとても寂しそうに見えた。なんだかほっとけなくなって気がついたら後ろから抱きしめていた。
「みんないつ居なくなるかわかりません…だから今を大切に後悔ないように今を生きましょう」
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煉獄さんと共に戦った炭治郎達が蝶屋敷で療養して回復訓練をうけているらしく、義勇とゆきは蝶屋敷にお見舞いに行くことになった。
あの日以来の蝶屋敷…だった。
療養室で、義勇は炭治郎達と話し込んでいた。ゆきは邪魔にならないように庭で花を見て待っていた。
すると、コソコソ話し声が聞こえてきた。
『あれって水柱様の継子だよな?』
『なんか三角関係なんだろう?霞柱様と』
『えっ?まじで』
『かわいい顔してるよな』『確かに!胸もでかいし』『俺も混ざりてー』
ゆきは、話を聞きたくなかったので奥にある井戸の方へ移動した。
早まる動悸を抑えたくて水を汲もうとした。
引き上げた時にバランスを崩して水を被ってしまった。
「もう…ついてないな、私何してるんだろう」
炭次郎との話を終えた義勇がちょうどこちらに来た。
「何してる?ずぶ濡れじゃないか?」
「お水汲んだら掛かっちゃって…」
義勇は自分の羽織を脱いでゆきにかけてやった。
「あらあら、お着替え用意いたしますよ。」
しのぶだった。
「結構だ。行こう」
義勇はゆきの背中に手を回し門の方へ歩きだした。
「つれないですね!冨岡さん。」
無視して蝶屋敷を後にした。
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「くしゅん」帰り道日が暮れてきて冷えてきた。
義勇は、ゆきのまえに屈んだ。
「歩くと日が暮れる。俺がおぶって走るから乗れ」
その帰り道鬼が現れた。義勇はゆきをおぶりながらも簡単に頸を斬り屋敷へと向かった。
「師範…ありがとうございます。ずっとおぶってもらって。」
「構わない。早く風呂に入って暖まれ」
義勇が、ゆきに貸していた湿った羽織をそのまま着てまた屋敷から出ていこうとしていた。
「師範!?どこへ?」
「警備だ。」
「そんな毎日ないですよね?当番制じゃないですか?」
「別の場所で寝てませんか?」