第77章 私は誰が好き?〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥 【R強】
義勇が、顔を上げると目の前のゆきは、まだ浴衣が自分が乱して部屋を出たままで、はだけて二つの綺麗な膨らみが見えていた…。
俺は、慌ててそれを合わせて直してやった…。
「ゆきすまない…本当に…」
その時、縁側から鴉の声が聞こえて来た。
「無一郎カラノ伝達ヨ。水柱様ニ、今日ゆきの手ノ治り具合ヲ見ニ屋敷ニ行ッテモイイカ?トノ事ダケド…」
縁側で、そう伝えに来たのは無一郎の鴉の銀子だった。
「あぁ…良いと伝えてくれ…」
義勇は、低い声で鴉に伝えながらゆきの浴衣の帯紐を括ってやった。
‐‐‐
義勇さんが、部屋から出ていきほっとした私がいた…。
すごく謝られた。昨夜の義勇さんが嘘のようにいつもの義勇さんだった。
…
義勇さんが部屋を出ていった後、私は一人、乱れた心を落ち着かせようとしていた。
昨夜、激情に任せて私を求めた義勇さんの熱と、今朝の酷く静かな謝罪。
その落差に、私は「自分はただの都合のいい女なのか」という疑念を拭えずにいた。
昼過ぎ、予告通りに無一郎が美月と共に、訪ねてきた
「怪我の具合、見に来たよ。僕の肩も、だいぶ良くなったし」
無一郎くんの肩には、あの日、私を庇って負った傷の痕が残っている。
二人が前線から退いている間、私の代わりに義勇さんの隣に立っていたのは、無一郎くんの継子である美月さんだった。
「美月。先日の任務、見事だった。剣術以外でも本当に、よくやってくれて助かった。」
義勇さんが、美月へ向けて真っ直ぐな賞賛を送る。その言葉は、同じ継子でありながら、守られるばかりで怪我まで負わせた私にとって屈辱なのに…
言うなら二人の時に言って欲しい…
ゆきの気持ちが沈んでいることに美月は、素早く気付いた。
「義勇様、今夜も鬼出没情報がありますので二人での任務ですよね?」
美月が、キラキラした瞳で話すと無一郎が、割って入った。
「僕ももう大丈夫だから、今夜は三人での任務になるよ。」
「えっ?無一郎様も復帰されるんですね!」
楽しそうに任務の話をする三人を前に、私は疎外感に打ちひしがれた。義勇さんの隣はもう私じゃない。
戦えない自分が惨めで、昨夜の熱さえ遠く感じる。
私はただ、三人の背中を黙って見送ることしかできなかった。