第77章 私は誰が好き?〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥 【R強】
「そうだ…いい子だ…俺に委ねろ…」
義勇さんはどこまでも、甘く優しく囁いてくる…任務の時に、自分に投げかけてきた言葉が、嘘だったのかと疑いたくなるくらい…甘く優しい…
「もう少し、足を開けるか?痛くないか?痛かったらすぐに言え…」
「…あっ…ぎ、ぎゆ…さん、こんな事は…やっぱり」
「ん…?駄目か?時透はもう関係ないだろ?」
どこか熱を帯びた甘い表情の義勇が、もう自分のもののように身体を弄ってくる。
「ぎ、ぎゆさん…もう、嫌です…ゆ、指…やめてください」
そう訴えるゆきの口を指先でそっと抑える。
「痛いのか?そっとしているつもりだが…」
すごく切ない目で見てくる…だけど…駄目…やめて欲しい
思い出す…山賊の感触を…急に…脳裏に身体に蘇る…
怖い…。
「や、やめて…」
太もも辺りにある義勇の手をゆきは、ぎゅっと掴んだ。
「や、やだ!やめて」
混乱し、震えるあなたの手を義勇はそっと包み込みこんだ。
もう欲情ではなく深い後悔と困惑が義勇には湧いていた。
「すまない。怖がらせるつもりはなかったんだ。悪かった、ゆき…」
熱を帯びていた義勇の温度が、一気に静かな申し訳なさへと変わる。
なだめるような低い声は、先ほどまでの甘い囁きとは違い、いつもの不器用な彼そのものに戻っていた。
窓の外に目を向ければ、夜は静かに明け、光が部屋に差し込んでいた。
「…一人に、なりたいです。」
ゆきの震える声に、義勇は一瞬だけ悲しげに目を伏せたが、拒絶を受け入れるように立ち上がった。
「…ああ、わかった」
とだけ短く残し、義勇は静かに部屋を後にした。
静寂が戻った部屋で、ゆきは一人、過去の忌まわしい感触を振り払うように自身で震える身体を抱き締めた。
いつの間にかゆきは、眠っていた…戸を叩く音で目を覚ました。
「ゆき。…朝食を持って来た。食べられるか?」
入ってきた義勇は、膳を置くと同時にゆきの前に膝をついた。
「本当に、すまない。お前の心が癒えていないことに気づかず、独りよがりな真似を…。どうしても…その…お前が、欲しかったんだ…不死川に、かなり嫉妬した…。本当に、怖がらせて悪かった」
義勇は、床に視線を落とし、ひたすら謝罪を繰り返した。