第76章 奪い合い〜冨岡義勇 時透無一郎 不死川実弥【R】
まだ日が沈む前に、義勇と美月は任務のため鬼の目撃情報があった森へと出発しようとしていた、出発する時に、まだ屋敷に不死川がいる事に義勇は気付いていた…
朝から随分時間は過ぎたが、部屋で二人で何をしているんだ?
気になって仕方ない…義勇は、わざと大きな声でゆきの部屋の前で声をかけた。
「ゆき、出発するぞ。朝方には戻る予定だ!」
そして強引にふすまを開くと…
ゆきの膝枕で眠る不死川が目に入った…
「お、おい?何をしている?」
「しっ…義勇さん静かに…昨夜も任務だったようでお話ししているうちに眠っちゃって…」
不死川は、幸せそうにゆきの太ももに顔を預けて眠っていた…。
「…おい、いつまでそうしている。だらしないぞ」
義勇の低い声が部屋に響いた。怪我をしたゆきの代わりに任務へ向かう美月は、その光景を冷ややかな目で見つめる。
しのぶから「彼女は無自覚に男を惑わす」と吹き込まれていた美月にとって、不死川を膝枕するゆきの姿は、まさにその言葉通りに映った。
「ゆきさん、任務に出る私や水柱様の前で…。そんな風に男を惑わすのは、慎みが足りないのではないですか?」
嫉妬に駆られた義勇がつい、美月の言葉に乗じて語気を強めてしまった…
「二人きりの部屋で無防備に膝枕など…規律を乱す行為だ」
その怒声に、不死川が不機嫌そうに身を起こした。
「はァ!?俺が無理に頼んだんだよ!看病したお礼をしたいって言われたから、それなら膝枕してくれってなァ!」
「ご、ごめんなさい!私が軽率でした…」
謝るゆきの頭を不死川は、優しく撫でた
「謝んなくていい…俺が悪かった…よく眠れたよありがとうなァ」
涙ぐみながら不死川を見つめるゆきの姿を見ると義勇は、余計に腹が立ってきた。
何でそんな目で不死川を、見つめるんだ…勘違いするじゃないか不死川が…
義勇は、低い声でゆきに告げる…
「ゆき…師範が、任務に行くんだ見送るのが普通ではないか?」
ゆきは、ハッとして不死川に会釈をして立ち上がった。
「行くぞ…門まで来い…」
「あっ…はい!」
冷たい声の義勇の言うとおりにゆきは、後をついて行った。