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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第76章 奪い合い〜冨岡義勇 時透無一郎 不死川実弥【R】


廊下で隊服を整える義勇の指先は、まだ微かに震えていた。
胸板に残る熱い疼きと、ゆきが残した確かな上書きの跡…
俺は嬉しすぎて…鼓動の昂りがなかなかおさまらなかった。

​翌朝、義勇はしのぶのもとを訪れた。

「ゆきの手の傷はもう良い。今日、俺の屋敷へ連れ帰る」

有無を言わせぬ義勇の気迫に、しのぶは少し驚いた表情を見せたが、それ以上は何も言えずに頷いた。
義勇は、しのぶとのあの夜の事には一切触れなかった。それが、逆にしのぶは切なかった…。

​義勇がゆきの部屋へ向かうと、そこには無一郎がいた。

無一郎は、ゆきを庇った際に負った肩の傷を包帯で固定しながらも、ゆきの手を優しく包み込んでいた。

​「ゆき手の傷…もう痛くない? 僕の肩なら全然大丈夫だから、気にしないで。それより…」

​無一郎の透き通った瞳が、ゆきを真っ直ぐに見つめる。 

「やっぱり婚約解消なんて取り消してほしい。僕が君を守るから。…お願い」

​困惑し、返事に詰まるゆき。無一郎はその華奢な体をそっと引き寄せ、甘く柔らかな口付けをゆきの唇に落とした。

​「っ…!」

ゆっくりと二人の唇が、離れる…

「む、無一郎くん…」「やっぱゆきの唇は甘くて美味しい…」

​扉の影でそれを見ていた義勇の脳内で、何かが弾けた。

昨日、あれほど必死に乞うて手に入れたゆきとの繋がり。
けれど時透は、簡単にゆきの気持ちを動かせれる…やはりゆきは、時透の事が…忘れられないのか…俺がどんなに想っても駄目なのか?

猛烈な嫉妬が理性を壊した。

​「そこまでだ、時透」

​義勇は病室に踏み込むと、無一郎の手を強引に引き剥がし、ゆきを自分の腕の中へ力任せに引き寄せた。

​「義勇さん…! 無一郎くんは怪我をしてるのに!」

「帰るぞ。」

「冨岡さん強引だな…僕は諦めないから!屋敷でくれぐれも師範以上の接触をゆきにしないでよね!」

「約束できない。お前はもう婚約者ではない、口出しするな。」

​無一郎の挑戦的な視線を真っ向から受け止め、義勇はゆきを抱きかかえるようにして部屋を後にした。

「絶対にゆきは、渡さない…」

無一郎は、拳を握りしめた。

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