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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第76章 奪い合い〜冨岡義勇 時透無一郎 不死川実弥【R】


  「嫌だと言っても、もう離さない」

​義勇の声は低く、少し悲しげだった…。

はだけていた隊服を音も立てずに床へ落とすと、義勇は震えるゆきをその逞しい腕の中に閉じ込めた。

肌から伝わる熱が、薬品のせいか、それとも抑えきれない興奮のせいか判別がつかない。

​「俺を見てくれ、ゆき。…頼む」

​拒絶を恐れるように強く抱きしめ、義勇はゆきの耳元で熱い吐息を漏らす。

​「俺は、お前だけが好きなんだ。胡蝶に何をされたのか、本当に記憶がない。気づいた時にはこの忌々しい跡がついていた…。俺の意志じゃない。俺の心にあるのは、お前だけだ」

義勇さん…何を言うの…辞めて…こんなの駄目だよ…

​義勇の必死な訴えに、ゆきの肩が小さく揺れた…。

義勇はゆきの首筋に顔を埋め、声を絞り出した。

​「お願いだ、ゆき。この跡の上から…お前の跡をつけてくれ。上書きしてほしいんだ。俺の身体も心も、お前だけのものだと…証明させてくれ」

「ちょっ…義勇さん!?辞めてください!私達何度も言いますが、師範と継子の関係ですよ!跡をつけるだなんて…おかしいです。」

義勇は、少し身を起こしゆきの唇が、胸板に当たるようにして抱きしめた。

「…んっ!?」

「そのまま…俺に跡を付けてくれ…お前の跡が欲しい…」

唇が、硬い胸板に触れる…ゆきはそのまま上目遣いで義勇の顔を見た。

その顔が…俺をもっと熱くする…そそられる…。義勇は、ゆきの髪を優しく撫でてから耳の後ろをゆっくり撫でる…

「そのまま…軽く吸ってみろ」その言葉にゆきの顔が赤く染まる…。

唇が、俺の肌に触れたままお前は、嫌だと頭を横に振った。
「そうか。嫌なことをして、すまなかった」

​義勇が、力なく腕を解こうとした瞬間、その孤独な背中に耐えかねたゆきが自分から彼の肌に唇を寄せた。
​「一箇所だけ、服に隠れて見えない場所になら。いいですよ」

​鎖骨の下、硬い胸板を深く吸い上げると、義勇は甘い呻きを上げ、ゆきの背を強く抱きしめ返した。ゆきは義勇を突き放すと、真っ赤な顔で布団に潜り込んだ。

​「もう出て行ってください!」

​独り残された部屋で、ゆきは激しく波打つ鼓動を必死に抑え込んだ…。



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