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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第76章 奪い合い〜冨岡義勇 時透無一郎 不死川実弥【R】


しのぶと義勇が居なくなり病室は静けさに包まれた。

不死川は、荒れ狂う怒りを辛うじて抑え込みゆきを優しく寝かせ直した。

​「すまねェ、喧嘩始めちまって…怖かったろ」

​彼は昨日、自分が縫い合わせたばかりのゆきの手の甲にそっと触れた。

炎症で熱を帯びた肌から、ゆきの苦痛が伝わってくるようだった。

「可哀想にィ…」

ゆきの苦しそうな顔を見つめるが、唇に目がいってしまう…

​かつて同じようにゆきを看病した際、理性を失い、奪った唇…。その柔らかさと熱を、不死川は一刻たりとも忘れたことがなかった。

​「冨岡なんざに、指一本触れさせねェ。お前が誰を想ってようが、今は俺だけを見てろ」

​震えるゆきの指先に、不死川は熱い誓いを込めるように、深く、静かに唇を落とした。

意識が、朦朧としているなかゆきはそんな不死川の言動を全て見ていた。

「不死川さ…ん」

ゆきが、熱に魘されながらも目を少し開いた。

「どうした?痛むか?」

「し、しのぶさんはさっき…義勇さんに何をしたの?」

真剣な目でゆきは、俺を見てくる

「暴れるから、何か薬品でも嗅がされて気を失わさせられてただけだ、心配するなァ。」

「見て来て、下さい…」

‐‐‐

しのぶは、薬で深い眠りに落ちた義勇を冷めた目で見つめていた。

先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返った病室で、彼女の指先が、力なく横たわる義勇の頬をなぞる。

​「なんで、みんなあの子がいいんですか?」

​その声は、震えていた。

かつて二人で赴いた任務、交わした数少ない言葉。あの子が現れる前、自分たちの間には確かに、言葉を超えた「何か」があったと信じていた。

​「私たちが積み重ねた時間は、あの子の輝きに、一瞬で塗り替えられてしまうのですね…」

​しのぶは祈るように身を乗り出し、無防備な義勇の唇を、自らの唇で塞いだ。

​だが、その背後―開いた扉の隙間から、ゆきに言われて来ていた不死川が、見ていた。

慌てて不死川は、ゆきの元へ戻った。

「し、不死川さん…義勇さ…ん大丈夫でしたか?」

熱により呼吸が浅くなりながらゆきは、俺に聞いてきた。
俺はお前の気を引きたかった…だから…

「寝台で口付けしていた」


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