第75章 水柱と継子 霞柱と継子〜冨岡義勇 時透無一郎 不死川実弥
藤の家の静かな朝。障子の隙間から差し込む柔らかな光が、畳の上を白く照らしていた。
ゆきが重いまぶたを押し上げると、最初に目に飛び込んできたのは、自分の体を包み込むような温もりと、すぐ間近にある柔らかい髪だった…。
「ん…ゆき?」
隣で無一郎が、自分を抱きしめて眠っていたのだった。
まだ頭は熱でぼーっとしていた。手が疼いて熱くて痛くてゆきは、苦しそうな表情をした。
すると大きな手が私の頭を優しく撫でてきた…。
「大丈夫かァ…昨夜は痛かったなァ」
不死川さんだった。昨夜…私は…不死川さんに傷を縫ってもらった…
痛みで倒れそうだったけど微かに覚えている…。優しい手を…。
無一郎くんは、隣で寝転び私の体を優しく抱いてくれている…怪我は!?
「む、無一郎くん肩の怪我は?」
慌てるゆきを無一郎は、やさしくなだめた
「大丈夫だよ。全然平気だったよ。君の方が鬼の爪にやられて大変だった。」
そうだ…私は昨日…無一郎くんと鬼と遭遇し戦って…また迷惑かけたんだった…
義勇さんに、呆れられた…。昨日怒ってたもん…こっち見てくれなかったし…
美月さんに指示を出して、すごく頼っていた…。
こんな弱い私…継子として失格だよ…
義勇は、ゆきを怒ってしまった気まずさで、隣の部屋の縁側に一人座っていた。
いつも通りの無表情。けれど、その指先はわずかに衣の裾を握りしめている。義勇はゆきが目を覚ましたことに気づいていたが、どの面を下げて部屋に入ればいいのか分からずにいた。
「水柱様」
声の主は、美月だった…美月は、義勇のすぐ隣に座ると義勇の顔を見詰めた。
「無一郎様も風柱様もゆきさんに付きっきりですね。」
「ああ」
義勇は、素っ気なく答えやけに距離が近い美月から少し体を離した。
しかし、美月はまた近づき
「水柱様。昨夜の戦い、私は…自分の無力さを痛感いたしました。ゆきさんのように、皆様に守っていただけるような愛らしさがあれば良かったのですが」
「いや、お前は剣技に戦術、俺の指示に的確に応える…見事だった。」
「そんな…お褒めの言葉…嬉しいです」
「お前は、本当に強い…安心できる」
ふらつく足取りで縁側へ向かったゆき。そこで耳にしたのは