第75章 水柱と継子 霞柱と継子〜冨岡義勇 時透無一郎 不死川実弥
義勇と美月は、見事な連携で素早く鬼を斬ることができた。
美月は、申し分無いほどの実力を、備えていた…。
「無一郎様!」美月が駆け寄り、寄り添うゆきを引き剥がした。
「早く止血しないと!あなた何しているの?泣いても血は止まらないでしょ!」
美月は、手慣れた様子でポケットに入れてあった包帯を出し止血を始めた。
義勇も、すぐに無一郎に駆け寄ってきた。
「時透大丈夫か?」
「大丈夫です。そんなに傷も範囲は広くないし…ゆきも擦り傷出来てるから見てあげて」
無一郎は、青白い顔で自身よりゆきの心配をしている。義勇は、振り返りゆきを睨みつけた。
「何故勝手について行った!?こうなる事は分かっていただろう?結局時透が怪我をした、お前も怪我するかも、いや命を落とすかも知れなかったんだぞ!」
義勇は、ゆきを心配なあまり怒鳴りつけてしまった。
「ご、ごめんなさい…」
俺は、ゆきを失ってしまうかもしれない恐怖で見境がなくなっていた。
ゆきが、手の甲から血を流していたがそれも無視して時透の方へ行ってしまった。
「鴉を飛ばし事後処理班を呼んである、俺は此処に残り指揮を取る。美月は、時透と共に藤の家に戻れ…後ゆきも一緒に戻れ…美月が付いているからもしもの時は助けてもらえ」
一切ゆきの方を義勇は、見なかった。藤の家までの道中、美月はゆきがかなり出血している事に気付いていたが無一郎には、それを伏せていた…。
藤の家で別任務を終えていた不死川は、騒がしい到着音に気付いた。
ふと中庭へ目をやると、ふらりと向かうゆきの尋常でない様子が目に入りすぐさま後を追った。
「おい、どこへ行く…ッ、ゆき!?」
呼びかけに応じず倒れ伏した彼女の元へ駆け寄ると、手の甲は深く裂け、鮮血が地面を赤く染めていた。
「すごい出血じゃねェか……!?」
不死川は、意識を失い冷たくなったゆきを迷わず抱き上げた。
「おい、誰か縫合の準備をしろ!急げッ!」不死川は怒号を飛ばし、藤の家の者を走らせる。真っ青な顔で動かないゆきを、彼は自身の部屋へ運び込み、慎重に畳へ寝かせた