• テキストサイズ

鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第75章 水柱と継子 霞柱と継子〜冨岡義勇 時透無一郎 不死川実弥


ゆきと無一郎は既に鬼と遭遇していた

「いけるよ、ゆき。君の筋は悪くない」

無一郎の言葉に背中を押され、ゆきは必死に刃を振るっていた。

師である義勇の前では「守られるべき存在」として委縮してしまう、今は無一郎が対等な一人の剣士として自分を信じてくれている。その高揚感に胸を震わせた、その時だった。

ゆき​が仕留めきれなかった鬼の触手が、死角から喉元へ迫る。

「危ない!」

無一郎がゆきを突き飛ばし、代わりにその身を棘が貫いた。

「無一郎くん!」

血が舞い、無一郎が膝をつく、その時静寂を切り裂く声が響いた

​「水の呼吸 拾ノ型 凪」

​義勇の放った一撃が、ゆきを襲う攻撃をすべて無に帰す。直後、美月が無一郎の窮地を救うべく、鋭い突きで鬼を抑え込む。

「無一郎様、お助けします!」

完璧な連携。自分よりも意思疎通が取れていた、その事実に、ゆきの手から力が抜けた。

​「時透、あとの始末は俺がやる」 

義勇の声は、怒りに震えているように聞こえた。

​まただ。また、俺はこいつを死なせかけるところだった
義勇は、激しい後悔と恐怖で荒れ狂っていた。

ゆきは俺の継子だ。俺が守らなければならない存在だ。なのに、なぜ時透について行った。なぜ自分を危険に晒す。

「ゆき、後ろにいろ。お前にはまだ早いと言ったはずだ」

大切だからこそ出た言葉は、ゆきにとっては「お前は戦力外だ」という宣告として聞こえた。

ゆき​は地面を見つめたまま、「ごめんなさい」と呟いた。

義勇さんの言う通りだ。私は結局、無一郎くんに怪我をさせ、義勇さんの足を引っ張るだけの「お荷物」でしかない。

​その時、無一郎が、そっとゆきの震える手を握りしめた。
​「何に謝ってるの? 僕は君を庇えて、光栄だと思っているのに」

​無一郎はゆきだけに聞こえる甘く静かな声で囁く。

​「冨岡さんは君を信じていない。君を閉じ込めて、翼を折ろうとしているだけだ。でも、僕は違う。君の強さも、君が今どれだけ頑張ったかも、全部見ていたよ」

​「無一郎くん」

​「ねえ、僕なら、君を一番輝ける場所で守ってあげる」
​無一郎の指が、ゆきの指の間に深く割り込んだ。

/ 642ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp