第74章 継子美月の罠〜時透無一郎 冨岡義勇 【R強】
義勇の唇が、ゆきの言葉を遮るように熱く重なる…。
そのまま、ゆきを逃がさないと言わんばかりに畳の上へと押し倒した。
「…それ以上、その名を口にするな。他の誰かと自分を比べることも、もう許さない」
耳元で囁かれる義勇の声は、いつもの冷静さを欠き、ひどく震えていた。
ゆきの華奢な肩を掴む指先が、微かに震えている。
それは、彼女を失うこと、そして彼女が自分を否定し続けることへの、義勇なりの恐怖と焦りの証しだった。
「お前が弱いのではない。俺が…お前を守りきれなかった俺が不甲斐ないだけだ。お前の心も体も、すべて俺のものだ。誰にも、何にも汚されてなどいない」
「ぎ、義勇さん…?」
「…黙れ。もう、聞きたくない」
義勇の唇が、今度は優しく、しかし強引にゆきの唇を塞ぐ…。
先ほどまでの執拗な束縛は、愛情の裏返し…。
美月と比較し、自分を「出来損ない」と蔑むゆきに対して、義勇の心の中で積み重なっていた独占欲が限界を超えて溢れ出した。
「俺の継子はお前だけだ。隣はお前しかいらない…お前が側にいてくれれば、何も怖くない…守りたいんだお前を…命をかけて…」
また唇が、重なる…今度は深い口付け…何度も角度を変え…舌を絡めてくる…
「んっ…ふっ…」
ゆきが、息苦しさに義勇の胸元を叩く…やっとの事で唇が離れる…
「ずっと我慢していた…お前が時透と婚約解消してからも、お前の心が完全に俺に向いてくれるまで我慢しようと決めていた…だけど…」
義勇が、また唇を重ねる…
「っ…///」
何度も唇を食べるように激しい口付け…止まらない…
ゆきは、隊服を掴み押し退けようとするが、柱の力に敵うはずもなく…されるがままだった。
ようやく唇が離れる時…ゆきは息が切れていた…。
「ハァハァハァハァ…」
「すまない…苦しかったか?今日はもう寝よう…。俺が止まらなくなる…。」
義勇は離れがたいように額を寄せ、荒い吐息を繋いだ。
「嫌いになったか?」
不器用に問う義勇の瞳は、子供のように潤んでいた。
「今夜は抱きしめて眠ってもいいだろう?迷子になった罰だ。寝間着に着替えたら一緒に寝る。拒否する事は出来ない。柱の命令だからな…」
「…はい。」