第74章 継子美月の罠〜時透無一郎 冨岡義勇 【R強】
その頃義勇は、はぐれたゆきを探しながら街を彷徨っていた。
「水柱様!」
名を呼ばれ振り返ると、時透の継子が立っていた。
「私達もこちらの任務なんです。無一郎様と別行動で鬼を探っております。」
「そうか…急いでいるので失礼する」
義勇は、そういい急いでゆきを探しに行こうとしたその時腕を美月に、掴まれその場に止められた。
義勇は、面倒くさそうに振り返る
「何だ?」
美月は、ニコッとしながら話し始めた
「ゆきさんとはぐれましたか?顔が真っ青だから…」
義勇は、勢いよく腕を振り払い深い溜息をついた
「失礼する」
去ろうとする義勇の背中に、悪気の無い言葉が突き刺さる。
「なぜ、二人で行動されるのですか?効率悪いと思います。そんなにゆきさんって弱いんですか?柱の助太刀をするのではなく、まるでゆきさんの護衛をしているみたいです…水柱様が…」
余りに聞き捨てられない言葉に、義勇は美月の元に歩み寄ろうとしたその時、二体の鬼が闇の中から現れた。
「鬼だ!」
「わかっております!」
二体の鬼が襲いかかるなか、美月の剣技は華麗だった。義勇は、安心して一体の鬼を任せれた。
流れる様な剣捌き…軽やかな身のこなし、簡単に鬼の頸を斬り落とした。
強い
「水柱様…お怪我は」
すぐに俺のもとに駆け寄って来て声をかけてきた。継子として申し分無い逸材だと感じた。
美月を、じっと見て義勇は固まったままだった…
「水柱様?」
「あっ…す、すまない。まだ鬼は潜んでいる筈だが今夜はもう出ないだろう。藤の家に宿泊するのはお前達も一緒だな?鴉を飛ばし藤の家に向うように時透に連絡する。お前は、藤の家に向かい時透と合流しろ。」
「水柱様は?」
「俺はゆきを探す」
「鴉の伝達を聞いて勝手に来ますよ…わざわざ…なんで?」
美月は、あきれた表情で義勇を見つめた。
「迷子になるやもしれない」
義勇は、ずっと不安そうにしていた…美月は、義勇の手をいきなり握った。
「な、何をする!?」
「私も協力いたします。ゆきさんを探すのを」
義勇は、湿っぽく触れる手を振り払い「構うな」と一言言い残しゆきを探しに向かった。
そんな義勇の後を美月は、走って追いかけて行った…。
二人が闇に消えた…