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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第72章 真実〜冨岡義勇


あれから数日後ー

無一郎が辿り着いたのは、産屋敷邸の最奥、お館様のもとだった。

隠や他の隊士に当たっても「崖からの転落事故」という表向きの記録しか出てこない不自然さが、無一郎の違和感を確信に変えた。

​「とうとう来たんだね…あの子の真実を知りたいんだね、無一郎」

​お館様の落ち着いた声が、隠蔽されていた秘密を紐解く。

雪山での任務。

義勇はゆきへの恋心を断ち切るため、「しのぶと会う」という嘘を吐き、足を挫いていた彼女を一人で下山させたこと。

昼間の山道、鬼は出ない…鴉を付ければ大丈夫だという過信が、最悪の惨劇を招いたこと。人間もまた時には悪になる…。

山賊に小屋へ引きずり込まれ、挫いた足を踏みつけられ、叩かれ殴られ押さえつけられ、日輪刀も奪い取られ抵抗する術も奪われてそして…身体も奪われたゆき。

それを任務帰りの不死川が発見し、遅れて駆けつけた義勇と共に、彼女を救い出したこと。

​「彼女は、君を傷つけないために『血鬼術のせいだ』と嘘を突き通すことを選んだんだよ。

無一郎に知られたくないと…あんな純粋で綺麗な心のお前に、もう自分は釣り合わないと、汚れていると…自分は無一郎の隣にいる資格は、あの日、あの山の中で失われたと私に言ったのだよ…」


​お館様の言葉が、無一郎の心臓を握りつぶす。

あの日、ゆきが浮かべていた震える笑顔。

自分が「汚れている」とゆきに言った時、どれほどの絶望の中にいたのか。

無一郎は、震える手を抑えた

「教えていただきありがとうございました。失礼します」

無一郎が産屋敷邸を飛び出そうとしたその時、背後から明るい声が響いた。

​美月だ。彼女は無一郎の強張った表情に気づかず、無邪気にその腕に抱きついた。

「あの方のこと、お館様に聞きに行ってたんですか?もう忘れてください!無一郎様には釣り合わないですあんな汚れた人は…」

​「…どいて」

無一郎の圧に、一瞬で周囲の空気が凍りつく。

​「えっ?でも、あの人自分で汚いって言って…」

「黙れ。二度とその口でゆきを語るな」

「無一郎様…」

​美月を冷たく振り払い、無一郎は義勇の屋敷へと駆け出した。今の自分には、ゆきに浴びせたひどい言葉を謝りたい、それ以外何も見えていなかった。


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