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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第71章 新しい継子〜時透無一郎 冨岡義勇


​蝶屋敷の自室に戻ったゆきは、膝を抱えて暗闇の中に座り込んでいた。

無一郎くんに嫌われた…私よりあの継子の人の方が大切そうだった

​私はもう、無一郎くんを幸せにできない…

​山賊に襲われ、心も体も壊れかけたあの日。不死川さんが助け出してくれ、義勇さんがここまで運び、懸命に支えてくれた。

男性に対する震えが止まらない自分を、二人は支えてくれた。

それがないと私が壊れそうだったから…
山賊のあの舌の感触…指の感触が…お酒の匂い…汗の匂い…そして…入ってくる悍ましい感触…
早く消したかった…早く上書きしたかった… 

​私はみんなに甘えすぎたんだ

無一郎くんは、多分義勇さんと不死川さんの事を何か勘付いていて私をもう見切ったんだ…

​「私は、無一郎くんに相応しくない…山賊に汚されて汚い体だし。」

​震える手で身なりを整え、ゆきはお館様、産屋敷耀哉の元へと向かった。

​夜の静寂に包まれた産屋敷邸で、ゆきは畳に額をつけ、涙を堪えた。

耀哉は、彼女が辿ってきた過酷な道のりをすべて知っている。凄惨な事件の被害に遭い、そこから這い上がろうと必死に前を見続けてきた彼女の強さを、誰よりも認めていた。

​「お館様……勝手なお願いをお許しください。時透様との婚約を、解消させていただきたいのです」

​「理由を聞いてもいいかな?」

​耀哉の穏やかな声に、ゆきは唇を噛み締める。

​「私は時透様に相応しい人間ではありません。今の私は、彼の輝かしい未来を曇らせるだけの存在です」

​「君が無一郎を思い治療に励んできたか、私はよく知っているよ。それは決して、恥じるべきことではないんだが…」

​「いいえ。彼が私を見る目は、もう以前のようではありません」


そう…屋敷に行った時私を見つめる目に、愛情が消えていると感じたから

​「彼をこれ以上、私という重荷で縛りたくありません。どうか…彼を自由にしてあげてください」

​しのぶの嘘が二人の間に深い溝を作っているとは露知らず、ゆきは無一郎の幸せを考えて離れようと思った。

無一郎の隣で笑っていた新しい継子の綺麗な笑顔が忘れられなかった…

こんな汚れた私より無一郎くんには、あの人の方が相応しい

「それに義勇さんの継子も…辞退したいです。」




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