第70章 練習の終わり〜冨岡義勇 不死川実弥
ゆきは、震える指先で無一郎の隊服を必死に掴んだ。
迫りくる彼の端正な顔立ちが、脳裏にこびりついた山賊たちの姿と重なり、恐怖で強張る。
「む、無一郎くん…お願い。まだ、身体は怖いの。今日は、口付けだけで…許して…」
泣きそうな声で頼むと、無一郎は切なげに瞳を揺らしながらも「…わかった。約束するよ」と優しく囁いた。
だが、その直後からゆきは後悔することになる。重なった唇は、触れた瞬間からあまりに強引だった…。
「んっ…!? むいち、ろう…くん…っ」
最初は優しく触れるだけだったはずの口付けは、すぐに激しさを増した。
無一郎はゆきの上に跨り、逃げ場を塞ぐようにして、強引にゆきの唇を舌でこじ開けていく。
奥まで執拗に探り、支配しようとするその勢いに、ゆきは怖いとすぐに感じた。
穏やかだった無一郎くんに、最初接した時はこのまま大丈夫と思ったのに…今の無一郎くんは…怖いよ…
かつて自分を汚した男たちの暴力的な気配が、無一郎の激しい口付けに重なってしまう…違うのに…
昼の光が部屋を照らしていた時間はとうに過ぎた。窓の外が深い闇に包まれても、無一郎は取り憑かれたようにゆきの唇を味わい続ける。
息が続く限り唇を甘く愛され唾液の音が部屋に響く。
さらにゆきを震えさせたのは、太腿の間にぐいぐいと押し当てられる硬く熱いモノだった。
口付けだけで我慢すると言ったはずの無一郎の、限界まで昂ぶった男としての証。
生々しい硬さと熱量が薄い浴衣を突き上げ、さらに激しさを増す口付け。
自分を飲み込もうとする無一郎の衝動に、ゆきは大好きだったはずの無一郎が、今は恐ろしい「男」にしか見えなくなっていた。
「む、むい…ちろ…く…」強引に顔を横に向けて口付けから逃れた。
「まだ…足りないよ、もっとしたい」無一郎の甘える声…
その時…扉を叩く音が部屋に響いた。ゆきは、緩んだ無一郎の拘束を上手く解きフラフラしながら立ち上がり扉を開けに行った。
扉を開けると不死川さんが立っていた。私は、助かったと思い緊張が一気に解け、ホッとしてしまい足の力が抜け不死川さんに倒れかかり気を失っていた。
「おい!?ゆき?」
不死川が、奥のベッドに目をやると片膝をついた時透がこちらを見ていた