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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第69章 淫らな六つの夜〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥【R強強】


その頃ー

義勇の焦りは、もはや隠しようもなかった。

下弦程度の鬼など、今の義勇にとっては道端の石を退けるに等しい。

凄まじい脚力で寺の裏手を駆け抜け、血の匂いを辿る。

「いたか」

​闇に潜んでいた鬼が声を上げる暇もなかった。

「水の呼吸、肆ノ型打ち潮」

一瞬で頸を跳ね飛ばした。

同時に、すぐさま刀を鞘に納め意識は、蝶屋敷へと向いた。

​今義勇の頭をよぎるのは、熱に浮かされた継子のゆきと、彼女を看病しているはずの不死川の姿だった。

不死川が道理に外れたことをする男ではないと、信じたい。だが…昨夜あいつは、水に濡れたゆきの体を見てあきらかに、顔が高揚していた…

あの姿を見た次の日に、高熱で無防備なゆきを前にして、平然としていられるだろうか。

胡蝶の言った無自覚な誘惑という言葉が、胸に刺さる。
早く蝶屋敷に戻らねば…

​しかし、寺の出口で待っていたのは、笑みを浮かべたしのぶの姿だった。

​「おや、もう終わらせたのですか。流石は水柱、早業ですね」

「どけ、胡蝶。報告は後だ」

「そうはいきません。この界隈にはまだ鬼の気配が残っています。念のため、朝まで周辺の警戒にあたるのが柱の責務ですよ」

​義勇が強引に通り抜けようとするが、しのぶはその前に立ち塞がる。

​「そんなに怖い顔をしないでください。不死川さんも柱ですよ? 信用なさい。…それとも、信じきれないほど彼女が魅力的なのですか?あぁ…無自覚な誘惑が心配ですね。ですが、貴方は柱です。わかっていますね?何を優先すべきか?」

​義勇は、図星を突かれ黙り込んだ。

信じたい不死川の理性を…

義勇の拳は、やり場のない焦りで固く握りしめられていた。

ゆき…俺はまたあの日雪山にお前を、一人にしてしまった過ちを、今また繰り返そうとしている…

「私は、あちらの森を見回ります。冨岡さんは、お寺の周辺をお願いします。」

「…承知した…」

「そんな、怖い顔なさらないでください。冨岡さん」

義勇は、近くの木を力一杯拳で殴ぐり寺の正面の門に向かった。

「あらあら…そんなに、あの子が大切なんですね…。」


ゆき…今何をしているのか?不死川…どうか…お前の理性を信じたい…



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