第69章 淫らな六つの夜〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥【R強強】
「失礼するぜ…」
努めて冷静な声を出し、不死川は病室の扉を開いた。
しかし、目に飛び込んできた光景に、心臓は嫌な音を立てた。
布団の中で力なく横たわるゆき。その頬は林檎のように赤く染まり、潤んだ瞳は虚空を彷徨っている。
「…むいちろう、くん」
熱に浮かされた唇が、自分ではない男の名を呼ぶ。
不死川は、枕元に駆け寄った。
「おい、しっかりしろ。無一郎じゃねェ。…俺だ」
熱を帯びたゆきの肌に、冷やした手拭いをあてる。その瞬間、ゆきはビクリと肩を震わせ、すがるように不死川の手首を掴んできた。
「…あつい…」
細く震える指先が、不死川の手の甲に絡みつく。
無防備に晒された首筋…。
「っ、馬鹿野郎…」
不死川の視線はその白い肌に釘付けになる。
山賊の夢に魘されているのか?熱に苦しんでいるのか?
乱れた浴衣の隙間から覗く二つの膨らみが、激しい呼吸に合わせて上下している。
「そんな顔…他の男に見せんじゃねェよ。無自覚な誘惑ってこれの事かよ…。」
‐‐‐
その頃義勇としのぶは、任務の為に隣町の寺に来ていた。
「この辺りで下弦程度ですが鬼の目撃情報があったようです。」
「さっさと見つけて頸を斬り落として帰るぞ」
しのぶは、何故か焦っている様子の義勇に気付いた。
「冨岡さん焦らなくてもまだ夜は始まったばかりですよ。」
「…俺は向こうを探す胡蝶は、このあたりを探してくれ」
義勇が、移動しようとした時だった
「冨岡さん、ゆきさんひどい熱を出しているのですよ今…」
義勇の顔つきが変わりスッとしのぶに、向けた
「大丈夫ですよ。きちんと看病は頼んでいます。」
「なら良かった…神崎が看病してくれているのなら安心だ。」
義勇が、再び移動しようとした腕を、しのぶに掴まれた「なんのまねだ?」
「看病は、不死川さんに頼みました。アヲイ達は、負傷してきた隊士が多かったためそちらの治療に回らせています。ゆきさんは、あなたの継子で特別です。柱である今日は任務のない不死川さんにお任せいたしました。」
義勇の目が激しく動揺している…
「彼女の無自覚な誘惑に負けて間違いを起こさなければ良いのですが…。でも、それで山賊への恐怖から解放されるかもしれませんがね。」