第69章 淫らな六つの夜〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥【R強強】
「見ないで!」と顔を覆うゆき。
その痛々しいほどの動揺に、義勇がすぐに動いた。
義勇は自身の羽織を脱ぎ捨て、露わになったゆきの肌を覆い隠すように優しく、肩にかけてあげた。
「不死川見るな!」
大振りの羽織に包まれ、ようやく視線から守られたことに安堵したのか、ゆきの瞳に涙が浮かぶ…
「はっ?てめェこそ見るなよ」
不死川はそう言い捨て、荒い呼吸を整えるように顔を背け、部屋の隅に置かれた籠から、洗濯したての清潔な浴衣を手に取りそれを差し出す。
「ほら、これに着替えろ。風邪ひいちまうからよォ」
震える手でそれを受け取ろうとしたゆきだったが、焦りから床に散らばった水瓶の鋭い破片に指先が触れてしまった。
「あ…っ!」
ゆきの指先から鮮やかな血が滲む…それを見た瞬間、義勇は迷いなく動いていた。
「かしてみろ」
義勇はゆきの手首を掴むと、吸い寄せられるようにその指先を深々と口に含んだ。
「ん…っ!? ぎゆ…さっ」
驚きに目を見開くゆきを無視し、義勇は熱い舌先で傷口を愛撫するように、血を拭い去っていく。
ゆきの指を吸い上げるその仕草は、手当というにはあまりに情熱的だった。
義勇さん?何してるの?や、やだ…不死川さんも見てる…そんな事しないでよ…変だよ…恥ずかしい…
絡みつく舌の感触、ゆきの腰が震える…。
義勇の瞳は、ゆきの反応を逃さずとらえていた。
「おい…冨岡、てめェ…いい加減にしろォ!」
見かねた不死川が、低い声で怒鳴り声を上げた。
「ぎ、義勇さんもう大丈夫ですから…」
義勇は名残惜しそうに指を離し、潤んだ瞳でゆきを見つめた。
不死川が「さっさと出て行くぞ」と義勇の襟首を掴んで強引に病室を後にする。
「お前何考えてんだァ?」
「…思いのまま動いた、それだけだ。」
「あ、あんな事…時透に悪いとか思わねェのかなよ?」
「俺は師範だ継子が怪我して手当てして何が悪い?」
「はァ…話にならねェ」
そんな口論をしている最中にもかかわらず義勇は、「ゆき、着替えは済んだか?」と声をかけながら病室に入って行った。
「お、おい!冨岡!待て」
その後に、不死川も続いた…