第69章 淫らな六つの夜〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥【R強強】
「本当に、あなたという人は」
蝶屋敷の廊下、しのぶの声が義勇の背中に突き刺さる。
「少しは自制というものを覚えたらどうです?ゆきさんが倒れたからって血相を変えて…。いいですか、彼女を甘やかしすぎです。あの子の無自覚な誘惑に、柱であるあなたが簡単に飲まれてどうするんですか」
皮肉混じりの忠告を聞き流し、義勇はゆきが休む病室の扉を荒々しく開けた。
暗い室内。不死川が横たわるゆきのベッドの枕元に座り、その髪をゆっくりと撫でていた。
普段の振る舞いからは想像もつかない、静かで深い愛情を感じさせる手つき。
「不死川。何をしている」
義勇の声に、不死川は視線だけを鋭く向けた。 「見て分からねェか。こいつ、震えが止まらなくて寝かしつけてたところだァ」
一歩踏み出した義勇の瞳に、ゆきのうなじに残る自分の跡が飛び込んでくる。それを見つめる不死川
「その跡、お前が付けたのかァ?」
不死川の声は怒りに満ちていた。義勇は答えず、ただ静かに不死川を凝視する。その沈黙を肯定と受け取ったのか、不死川は舌打ちをした。
「こいつは時透の婚約者だ。それに山賊に汚されて、男を怖がってんだよ。それを無理強いするなんざ…正気じゃねェな」
「無理強いなどしていない。魘されていたから、なだめただけだ」
「なだめただァ?こんな手段使ってするな」
そんなやり取りを、しているうちにゆきが目を覚ました。
「…んっ不死川さ…ん…」
「悪りィ…起こしちまったな」
ゆきが、起き上がった視線の先に義勇の姿がありゆきは、思わず昨夜の夢か現実かわからない義勇の愛撫を思い出して顔を火照らし目を逸らした。
「富岡、お前はもう行け」 不死川はゆきの肩を抱き寄せ、義勇を睨みつける。「こいつはまだ怯えてんだ。今夜は俺が朝までここで見ててやる」
そんな様子を廊下からしのぶが見ていた
「そんなに心配なら、いっそ三人で夜を過ごせばいかが? 柱二人もいれば、彼女も安心して眠れるのでは?」
皮肉な提案を残し、しのぶは去り際に義勇へ耳打ちしてきた… 「さて、お二人とも。彼女の無自覚な誘惑に、最後まで耐えられますかしら?あの目に酔わされないように…冨岡さん。」
しのぶは、病室の扉をゆっくりと閉めて行った。