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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第67章 悲しい出来事〜R強強


お前は、ずっと綺麗で尊い…

重なる唇から伝わる震えに、義勇の心は乱れる。

​「汚れてなどいない」

​そう言い切る義勇の瞳には、愛する者を守れなかった己への怒りと、ゆきを絶望から引き戻そうとする想いが見えた。

​義勇はゆきを、蝶屋敷の奥まった一室へと運び込んだ。

この一件の真相を知るのは、冨岡義勇、共に山賊を掃討した不死川実弥、治療を担う胡蝶しのぶ、そして報告を受けた産屋敷耀哉の4人のみ。

​婚約者である時透無一郎には、まだ何も知らされていない。

​しのぶによる診察の結果、ゆきの体は凄惨な状態だった。

​逃げようとした際、山賊に執拗に踏みつけられ、万力のような力で握られた足首は、捻挫という言葉では足りないほどに腫れ上がり、紫色の内出血が痛々しく広がっていた。

​男の一人に組み伏せられ、無理矢理に身体の関係を持たされた痕跡。

抵抗の虚しさを物語る打撲痕が、白い肌に無数に残されていた。

​診察を終え、部屋から出てきたしのぶの顔は、怒りで青白く震えていた。

​廊下で待っていた義勇と不死川に、しのぶは声を潜めて告げる。

​「身体の傷以上に、心が壊れています。それに、時透君にはどう説明するつもりですか?」

​その問いに、不死川が壁を激しく叩いた。

​「あいつに、こんなこと…言えるわけねェだろうが。ゆきを大事に思っている時透がどんな顔するか、考えただけでも…それにあいつは、まだガキだ…こんな事実背負え切れねェだろ…」

​義勇は、拳を固く握りしめた。

無一郎がゆきをどれほど大切に想っているかを知っている。

もし真実を知れば、あの少年は怒りと悲しみで自分を見失うかもしれない…。

あるいは…ゆきを、拒絶するかもしれない…

これまで通り時透は、愛せるのか?事実を知っても?

​義勇は、病室で眠るゆきの側に行った。

ゆきが、汚されたと言った唇を俺は愛おしくなり堪らなく奪った。

それが時透への裏切りであることも、ゆきをさらに混乱させる行為であることも分かっている。

義勇は、口を開く…

​「時透には伏せておこう」

俺があの時、一緒に産屋敷邸に行きたいと言ったゆきを連れて行っていれば…こんな事にはなっていなかった…。

俺の責任だ…俺の…


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