第67章 悲しい出来事〜R強強
ついに義勇が小屋へ踏み込んだ瞬間、目に飛び込んできたのは、無残に破壊された扉と、転がる山賊たちの無様な姿
そして、不死川の腕の中で震えるゆきの姿だった。
いつもは感情を現さない義勇の顔が青ざめ強張る…
「ゆき」
裂かれた隊服から覗く痛々しい痣。
体に無理やりつけられた執拗な跡…。
そして、雪のように白く細い足首が無残に腫れ上がっている。
失神している山賊の一人がスボンを脱いでいるのを見て義勇は、何があったのか悟った…怒りでそいつの顔を思わず拳で殴っていた
不死川が震えた声で口を開く。
「冨岡。遅ぇんだよ、テメェは…なぜこいつが一人でこんな所にいる?任務なんだろ?なぜ一緒にいない!」
不死川の腕の中で、ゆきはガタガタと震えが止まらず、恐怖で声も出ないまま、ただ義勇を見つめていた。
その虚ろな瞳と目が合った瞬間、義勇の胸は、心臓を直接掴まれたような鋭い痛みに襲われた。
「すまない。俺が、一人で行かせたから」
義勇は不死川の傍らに膝をつき、震える手で、自分の羽織を脱いだ。
ゆきの露出した肌を隠すように、そっとその羽織で体を巻いた。
「怖かったな。もう大丈夫だ。こいつらは…二度と、お前に触れさせない」
義勇の声は、震えていた。
義勇はゆきの痣に触れようとして、そのあまりの酷さに、触れることすら戸惑うように指を止めた。
不死川は、ゆきの背中を大きな手で不器用に、けれど優しくさすりながら、義勇に告げた。
「こいつらは俺が引き受ける。冨岡、お前はゆきを連れて早く蝶屋敷へ向かえ。一歩も歩かせるんじゃねェぞ」
「わかっている」
義勇は深く頷くと、ゆきを横抱きに抱え上げた。
「ゆき。少しだけ我慢してくれ、すぐに手当てをさせる。眠っていい…俺がずっとついている大丈夫だ」
ゆきの頭を自分の胸元へ寄せ、義勇は静かに歩き出した。
腕の中で震え続けるゆきの温もりを感じるたび、義勇の心には、守りきれなかった自分への激しい嫌悪と、ゆきを傷つけた者たちへの静かすぎる殺意が止まらない…。
あんな奴等にゆきは…くそっ…
背後では、不死川が山賊たちを睨み付け、再び罰を与える気配がしていた。