第67章 悲しい出来事〜R強強
「やめ…離してっ…!」
ゆきの悲鳴は、誰にも届かない。
「挿れるぞ、ほらじっとしろ」
無理やり押さえられた足首の激痛と、体内に入って来る異物感。痛くて気持ち悪くて堪らない…
冷たい板間の上で泥を塗られるような屈辱に、ゆきはただ涙を流した…。自分の上で見知らぬ男が身体を揺らす…
その時だった。
ドォォォォン!!
凄まじい衝撃音と共に、古びた小屋の扉が粉々に砕け散った。
「あぁ? どこのどいつだ、邪魔しやがって――」
顔を上げた山賊の言葉は、最後まで続かなかった。
「テメェら、何してやがる」
立ち込める土煙の中から現れたのは、返り血を浴びた隊服を翻す不死川だった。
その瞳は、鬼を屠る時以上に冷たく、そして煮えたぎるような怒りに満ちていた。
「あ、あんだよお前は! 邪魔するなら」
山賊の一人が刀を抜こうとした瞬間、風が吹いた。
「雑魚が。俺の前で、その汚ぇ手でそいつに触れてんじゃねェよ」
「風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ」
凄まじい突風が小屋の中を吹き荒れる。ゆきを組み敷いていた男たちは、反応する暇もなく壁まで吹き飛ばされ、叩きつけられた。
「っなんだ…こいつ!?」
不死川は一歩、また一歩と、震えるゆきへと歩み寄る。
「おい、大丈夫か」
短く、ぶっきらぼうな問い。
しかし、不死川の視線はすぐに、ボロボロに裂かれた隊服、ずり下ろされたズボン、腫れ上がった足首、ほぼ裸のゆきに向いた。
そして体にも沢山の痣と男達がつけた跡が広がっていた。
すぐに、抱きしめてやりたかったがあの連中を不死川は、痛めつけたかった。
「少し待ってろ」
不死川は優しくゆきに告げた。
「て、てめぇ邪魔するな」
「誰に口きいてんだァ!?」
山賊達を不死川は死なない程度に痛めつけ縛り上げた。
ゆっくりと振り返り、冷たい板間の上で震えるゆきの元へ歩み寄った。
優しく慎重にゆきを抱きしめる。
「大丈夫か?何でこんな事に…」
たまたま近くでの任務の帰りに俺は、積もった雪に人が引きずれた跡を見つけおかしいと思い小屋に辿り着き中からゆきの声に、気づいた。
「冨岡は一緒に任務じゃないのか?」