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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第67章 悲しい出来事〜R強強


冷たい風が吹き抜け、足首の痛みが限界に達したその時だった。

​「見つけたぞぉ。女一人でこんなところで、足を引きずって。いい獲物だ」

​岩陰から現れたのは、笑みを浮かべた三人の男たち。
鬼ではない、しかし、山に潜み獲物を狙う山賊だった。

​ゆきが刀を抜こうと柄に手をかけた瞬間、一人の男が背後から組み付き、力任せに腕を捻り上げた。

​「離して! 離しなさい!」

​悲鳴は虚しく雪山に吸い込まれていく。

足の痛みで踏ん張りがきかず、無惨にも地面に組み伏せられたゆきから、男たちは無造作に日輪刀を奪い取った。

​「上等な刀じゃねえか。…しかし可愛い顔してるなぁ…中身も上等そうだ」

「奥の小屋へ運べ!ゆっくり楽しませてもらう」

ゆきは、山賊達に​無理やり引きずられ、古びた小屋の板間に放り出された。

逃げようにも足は動かず、日輪刀も奪われ、心細さと恐怖で震えが止まらなかった。


​一方、産屋敷邸へと向かっていた義勇は、ふと足を止めた。

​昨夜、山小屋でゆきに触れた時の、体温や吐息がまだ指先に残っている。その夜に時透との情事の音…声を藤の家の部屋で聞いてしまった…

突き放すようなことを言ったのは、自分自身の理性が崩れそうだったから。
そんな事を考えながら歩いている時にふと胸騒ぎがした…

​その時、上空から必死に羽ばたく音が聞こえてきた。

​「カァ! カァァーッ! 義勇! 大変ダ! ゆきガ、連レ去ラレタ!!」

​寛三郎が、今までにないほど激しく鳴き声を上げている。

​「何だと?」

​「小屋! 山道ノ脇ノ小屋!! 刀モ奪ワレタ!!」

​義勇の瞳から、先ほどまでの迷いや冷たさが消え、凄まじい殺気が溢れ出した。

​「俺は、何をしていたんだ」

​ゆき​の足が悪いことに、本当は気づいていた。それなのに、自分の動揺を隠すために一人にした。
胡蝶と会うなど嘘をついてお前を遠のけた…
夜じゃないから鬼は出ない…そんな甘い考えをしていた

判断を誤った…自分自身のお前が好きと言う気持ちを隠すために…

​「もしあいつに傷一つでもつけてみろ……」

「義勇ハヤク!ハヤク!行ケ!ゆきノ元へ!」

義勇は、雪道を風を切るようにゆきのいる方へと必死に走り出した。

止まることなく必死に…

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