第65章 雪山での秘密の情事〜冨岡義勇【R】
しばらくしてもゆきの体はまだ体温がそれほど上がらなかった。
「これだけでは、まだ足りない。指先まで凍えているな」
義勇の低い声が、ゆきの耳元に響く。
抱きしめるだけでは埋められない距離。
このままでは、ゆきの体温がさがるばかりだ。
「ぎ、義勇さん…? 何を…っ」
驚き目を見開くゆきを、義勇は逃がさなかった。
義勇の掌がゆきの隊服のボタンを、はずし躊躇なくその内へと手が滑り込む…
「ま、待って!」
直接触れてきた義勇の手は、火を帯びたように熱かった。
凍えていたゆきの肌が、義勇の熱に触れた瞬間、熱を帯び始めた。
「嫌か? だが、このままでは本当に指先から凍えていくぞ。お前を死なせるくらいなら…嫌がってもこの体で暖めてやる」
義勇は、ゆきの羽織を脱がせて冷たい床に敷いた。そしてゆきを横にならせその上で自分も隊服を開いて肌が出るようにした…
ゆきの、冷たくなった肌に義勇は自分の鍛え上げられたたくましい胸板をゆっくりと合わせる…。
そして自分の羽織で二人を包んだ…。
触れ合う柔らかい感触…ゆきの甘い香りに酔いそうになる
「義勇さんあたたかい…」
ゆきが火照った顔で見てくると、義勇は抱きしめる腕を緩めるどころか、さらに隙間を埋めるように密着させた。
重なり合う肌と肌の間で、汗ばむような暖かさが広がる。
「暖かいなら良かった。もっと俺の熱を吸えばいい」
耳元で囁かれる甘い声。
ゆきの心臓は体温とは別の理由で速くなる。
義勇は空いている方の手で、ゆきの頬を包み込んだ。
冷え切っていたはずの指先が、義勇の体温でじんわりと解けていく。
義勇は、親指でゆきの唇をそっとなぞった。
「顔色が戻ってきたな。先ほどまでの青白いお前は、見ていられなかった。俺の心臓が止まるかと思った」
ゆきを見る目には、隠しきれない熱が混ざり合っていた。
義勇は、ゆきの額にそっと自分の額を合わせ…
「これでは足りない…。もっと、お前の内側まで熱くしてやりたい。…いいか?」
えっ?どう言う意味…?
その言葉に私は戸惑った……流されたら駄目だ…駄目…