第65章 雪山での秘密の情事〜冨岡義勇【R】
義勇の言葉に、ゆきは小さく体を震わせた。
拒むことができない「柱の命令」。
でもそれ以上になぜか義勇から感じるのは、いつもの素っ気ない感じではなく愛情だった…
そして縮まる距離…重なる体温…
ゆきは覚悟を決め、震える体でゆっくりと義勇の隣へと入った。
「失礼します……」
小さな声で呟くと、義勇は待っていたと言わんばかりに、広げていた腕でゆきの肩を強く抱き寄せた。
ドキッとした…
分厚い隊服越しでも伝わってくる、義勇の高い体温。
そして、どこか落ち着く義勇さんの香り…。
「…冷たいな」
義勇が低い声で囁く。
ゆきの指先や肩が、雪のように冷え切っていたからだった。
義勇はさらに力を込め、ゆきを自分の胸の中へ閉じ込めるように抱きしめてきた。
氷点下の部屋、二人だけの熱…
外の猛吹雪が嘘のように、義勇の腕の中だけが熱を帯びてくる…
あまりの近さに、ゆきの耳には義勇の規則正しい、でも少しだけ早い鼓動が響いてくる…。
義勇の温もりは、凍えそうな体にじわじわと染み込み、足の痛みさえも和らげてくれた。
薪のはぜる音が消え、ただ風の音と、二人の重なる吐息だけが暗がりに溶けていく…
「義勇、さん…」
「黙っていろ。体力が削れる」
ぶっきらぼうな言い方だったが、ゆきの背中を撫でる義勇の手つきは、驚くほど優しく、壊れ物を扱うかのよう繊細だった。
「こうしていれば…朝まで大丈夫だ。だから、今は何も考えずに目を閉じろ」
義勇はゆきの頭を自分の肩に預けさせると、自分もまた、暗闇の中でそっと目を閉じた。
ゆきの体温を感じながら、義勇は心の中で「離したくない」という独占欲と守りたいと言う気持ちでいっぱいになった。
どうしよう…義勇さんをやっと忘れれそうだったのに…こんな近くで…抱きしめられたら…
胸が高鳴るよ…
心臓の音が聞こえる…義勇さんの鼓動がすごく速い…それって私にドキドキしているからなの?
だけど…やっぱり寒くて…堪らない…
義勇は、しっかりとゆきを抱きしめていたがゆきは、無一郎に後ろめたい気持があり義勇に抱きつかずに自身の体に手を回し小さくなっていた。
だから義勇の体温があまり伝わっていなかった。