第64章 快楽に酔う〜時透無一郎【R強強】
無一郎が、ゆきをギュッと抱きしめた時ゆきが声を上げた…
「んっ…痛っ…」
「あっ…ごめん…打撲のあと痛かった?」
「ちょっとだけ」
すぐに、冷やしてあげるから待っててね。無一郎は急いで部屋を出た。
暫くして桶に水と手拭いを持って戻って来た。
「今から体を冷やしてあげるね」
布団に、横にされたゆきの隊服に無一郎は手を伸ばした。
「脱がせてあげる…」
ゆきが、無一郎の手を握った。
「ひ、冷やさなくても大丈夫だよ」
このまま脱がされたら無一郎くん絶対…冷やす以外の事もしてくるのわかってる…
無一郎は、重ねられたゆきの手に自分の手をそっと添えると、困ったように眉を下げてゆきを見つめた。
「大丈夫じゃないでしょ? さっきあんなに痛そうな声出してたのに」
無一郎の瞳は透き通っていて、純粋にゆきの体を心配しているようにも見えた。
けれど、繋がれた手から伝わる体温は驚くほど熱く、その視線はどこか独占欲をはらんで潤んでいました。
「それとも何? 僕に脱がされるのが嫌? …それとも、『冷やすだけ』じゃ済まなくなるって思ってるの?」
核心を突く言葉に、ゆきの指先がびくりと跳ねた。
無一郎は逃がさないと言わんばかりに、ゆきの指の間を埋めるようにして指を絡めてきた…。
「隠さなくていいよ。君が何を考えてるか、僕には全部わかるから」
無一郎はもう片方の手で、冷たい水に浸した手拭いをゆっくりと絞りました。水の滴る音が静かな部屋に響いていた。
「跡が残ったら嫌だし…僕が綺麗にしてあげたいんだ。…ねえ、手を離して?」
拒絶を許さない、けれど酷く甘い声。
無一郎は顔を近づけると、ゆきの鼻先に自分の鼻をそっと擦り寄せてきた。
「それとも…冷やす前に、もっと『気持ちいい事』されたい?」
「無一郎く…ん」
無一郎の唇が、ゆきの唇に触れそうなくらい顔が近づく…瞳が、至近距離で怪しくゆらりと揺れた。
「そんなに震えて……怖い? それとも、期待してるの?」
無一郎は、繋いでいた方の手を離すと、そのままゆきの隊服の合わせに指をかけた。
「冷やすだけって言ったけど…先に、気持ち良くしてあげたくなっちゃった」