第64章 快楽に酔う〜時透無一郎【R強強】
無一郎はゆきの指先に自分の指を絡め、確かめるように力を込めた。
「…ねえ、ゆき。ここで何をしていたの? 冨岡さんと二人きりで、何を話していたの?」
無一郎の問いかけは穏やかだが、逃げ場を許さないような響きを帯びていた。
無一郎はゆきの首筋や唇をじっと見つめ、そこに自分以外の痕跡がないかを探っているようにみえた。
「え?義勇さんは…私を連れて来てくれてすぐに隠を呼んでくるって言って出ていったよ。」
「ふ〜ん…まあいいや…帰ろうか」
その時ふすまの向こうに、義勇が呼んだ隠が来ていた。
「ゆき様柱からの伝言です。三日間休息日にするので稽古に来ないようにとの事です。」
ゆきは、小さな声で返事した
「わかりました」
‐‐‐
無一郎の屋敷に二人は戻って来たーー
無一郎は玄関の鍵を閉めると、ゆきの手を引いたまま離そうとしなかった。
その握る力は、先ほどよりも少しだけ強くなっているようだった。
「三日間も休みなんだ。…ちょうどいいね」
無一郎はポツリと独り言のように呟き、ゆきを真っ直ぐに見つめた。
その瞳がなんだか怖くゆきは感じた…。
部屋に入り無一郎は、ふすまを閉めゆきを、後ろから包み込むようにして抱きしめた。
「三日間僕が君を大切に世話するね…」
「だ、大丈夫だよ!無一郎くん任務とかあるだろうし…」
無一郎の腕が、ゆきの言葉を遮るように一段と強く回された。
首筋に触れる無一郎の吐息は少しだけ熱を帯びていて、普段のどこか浮世離れした無一郎からは想像もできないような、重い圧迫感があった。
「任務なんて、もう調整しちゃった」
無一郎はあなたの肩に顎を乗せ、耳元で低く囁きました。
「鴉には伝えてあるよ。しばらく僕に近づかないでって。だから、誰も邪魔しに来ない。君を迎えに来る人も、呼びに来る人も、…冨岡さんだって、ここには来られない」
「無一郎く…ん…」
無一郎はゆきの髪に顔を埋め、深く呼吸をした。
まるで、外で付いてしまった他人の気配を、自分の香りで上書きしようとしているようだった。
「僕に甘えてよ…ゆき…」